人間の負の感情によって鬼孔という穴が生じ、そこから人食い鬼が現れる世界。西国の巫女たちは、毎晩清めの舞を奉納することで東国に生じる鬼孔を塞いでいた。しかし鬼の勢力が強まり、東国で直接鬼孔を塞ぐ巫女が必要となった。落ちこぼれの巫女・奈古女はその役目に選ばれ、単身東国へ派遣されることとなったのだった。
世界観とキャラクターがすごく好きです。
設定が、というのもありますが、人名や装束、建具等から感じる大河ドラマ的雰囲気、負の感情が交錯し、そこから情や狂気、血腥さ等の生じるシリアスな雰囲気にすごく引き込まれました。
登場するキャラクターたちは、誰もが何かしらを抱えていることを感じさせられ、興味を引かれました。また、特に奈古女と真均の時折見せる、普段とは違う一面に引き付けられました。
これから徐々にいろんなことが明らかになっていって、キャラたちの関係性も変わったりしていくのかな……と思っていたところでの一章終盤の展開にはとても衝撃を受けました。この作品で流れる負の感情と血は生半可なものではないのだと、まざまざと突きつけられた感じがしました。物語の真のスタートはここからなのだと思わされました。
ネタバレを考慮するとこのくらいしか書けないのがもどかしいです。
ここまでの展開や明らかになったキャラたちの境遇は重く耐え難いもので、ここから先にも一体何が待っているのか……すごく引き付けられています!
(※二章「4 運命を変えた若君」までを読んでのレビューです)