「嘘だと」を含む小説

「僕の遺影を描いてください」 意を決して頼んだ相手は、全色盲の画家・榊だった。 灰色の濃淡のみで構成される世界に生き、着ている服も黒いものばかり。そんな榊の描く絵は、しかし息…

誰にでも『少し不思議』な事は起こっている物です。 大抵の人は忘れている物ですが、覚えてしまっていたら、心に傷が残っているように感じているかもしれません。 『少し不思議』な話は、誰…

これは、熱があるに違いない。 そう確信して検温した結果、思っていたほどの数値が出ないでガッカリした経験はありますか？ 私はあります。健康なのは良いことなんだけど、休めると期待し…

犀川 よう様自主企画「エッセイを書きましょう2024」に参加させて頂いた書き物です。 ※不衛生なお話しが苦手な方は後半は読まれない事を強くお勧めします。 I recommen…

ああ、遠くなる昭和の思い出たち （第４編）淡い恋心・・・信子そして美穂 初めての保育園でのクリスマス会での演奏会は無事に終了した。 美穂にとってこの演奏会は大成功だった。美…

　S中学校エイプリルフール、ブッチギリ部隊の隊員、早田と佐藤とセナ（妖精）は特殊能力を持っている。そう、絆を壊すような嘘をつきそうになった人、つかれそうになった人の時間を、その日…

　大学1年生の芽久は、4月のある講義で2年生の逢愛と出会った。休学をしていた関係で1年生の講義に参加しているという先輩と、ひょんなことから友達になった芽久。 　それから3か月、試…

恥の多い生涯を送って来ました。 某有名小説の冒頭文ですが、胸を突き刺す暴力的な言葉です。 エッセイを書くに当たって、実体験をベースにとのことですが、つまらない人生を送っている…

「この世から全ての嘘を消し去りたい。 　キレイな本当のことだけを覚えていたいんだ」 　“カメラアイ” 　一瞬で見たものすべてを完璧に記憶し、一生涯忘れない能力。 　 　そんな厄…

――私の嘘吐き症候群は何としても隠さないと。 菊城忍は人の心の声が聞こえてしまういわゆる共感覚を持って生まれたが、ある出来事がきっかけで心を閉ざし誰の心の声も聞かないようにして…

就職活動なんてただの茶番だ。企業に合う人格や、嘘で固めた志望動機。テンプレートの質問に答えたり。働いてからも頑張らないといけないのに、なんで今も頑張らないといけないんだよ。

大学生の佐藤香織は、ひょんなことから美人で優雅な先輩・山田美和子と「偽装カップル」を演じることに！ アパートの家賃を抑えるためのはずが、学校中にカップルだと噂が広まり、友人からの…

　あらすじを説明しろって？ まぁ、いいけどさ……。 　えぇっと。この物語はごく普通の中学生の僕、立花葵とその同級生、速水りえが、下校中に謎の悪神に襲われ、それを助けた女神様によっ…

「クラゲを盗みにいこう」高校生最後の夏。親友の気を引くためだけについた嘘。後に引けなくなって、下見に訪れた江ノ島水族館で、私は未来の私を名乗るお姉さんに出会う。

高二の冬。冷たくて薄暗い路地裏で出会った彼の体温は私をおかしくさせた。 そして、季節が変わり再び出会った彼は私に素知らぬ顔でこう言った。 「─はじめまして。先輩？」 本当に、嘘吐…

嘘を吐く「私」の話。

　私の人生で最大の不幸は何か。 　そう問われたとき。私は ｢生まれた時から"人間"ができなかったこと｣ と答える。 　きっと共感できないし、きっと認められないし、きっと誰も…

野球少年の野球を休みたいがためについた嘘