就活狂想曲

パソたん

就活狂想曲

コピペみたいな志望動機。増えるバイトリーダー。潤滑油まみれの集団面接。同じ髪型、偽物笑顔。狂ってる、狂っている。踊りながら靴を舐めながらへりくだりながら、御社が第一志望と数多の企業へ口車を乗せる。個性を求められているのになぜか同調したもん勝ちの就職活動。狂いそうだ。自己分析はすればするほど自分が誰だか分からなくなる。企業研究、どれもこれも同じような社風と理念。それなのに「それは別の会社でもできますよね?」あぁできるよ御社じゃなくても構いません。そんな事は言えない。あれこれ理由を付ける。自己分析なんて意味は無い。その会社にいそうな人材になりきる、飛んだ茶番だ。エントリーシート、履歴書、同じような自己PR、志望動機、嘘に嘘を重ねて、自分という存在が嘘なのかもしれないと疑い始める。


社会に出てからも苦労が待っているのに、その前の就職活動でも身を削らないといけない。意味がわからない。どうやら働いてからも苦労するらしい。なんなら働き始めてからの方が苦しいらしい。日本を動かす歯車になるらしい。翼は折れるらしい。飛べなくなるらしい。空は見れなくなるらしい。自由は檻の中へ投げ込まれるらしい。分かったかも、翼をくださいってきっとそういう意味だ、なんて考えた。マイナビ、リクナビ、オファーボックス、ES添削アプリ、面接動画、繰り返す繰り返す。繰り返す日々。打破する為にお風呂に早めに入った。明日は面接。明後日は説明会、明明後日は個人面談。同じ笑顔と言葉を持ち寄ってパソコンの前まで、会社の前まで、なんなんだ。何してんだ僕は。皆これを平然とやっていそうで怖い。皆同じならいいのにな。


どうやら働かないとダメらしい。大人ってのはそういうことらしい。大人はみんな狂っているらしい。生活のために働いているらしい。ご飯を食べるために、寝床のために、あるいはパートナーのために。子供のために。どうしても僕らは働かないといけないらしい。働かないと死ぬらしい。社会という暴力が僕らを追い詰めるらしい。狂ってしまう。お父さんとお母さんがイカれてるのは社会のせいか?そうに違いない。おじいちゃんおばあちゃんはこれから僕ら若い世代が支えるらしい。高齢者1人につき若者2人で負担するという話がある。少子高齢化で高齢者が増えていく、若者は減る。高齢者は車で若者を轢き殺す。高齢者1人につき2人所じゃなくなるだろうな。ふざけるなよ。


だからといって子供はいらないけどね。結婚して家庭を作れば幸せとかバカバカしい。それはただの生存本能。世界の仕組みや陰謀に踊らされたくないね。さっさと自殺でもしたいものだ。働く為に心を削って、働いてからも「生活」という目的の為だけにストレスを貰い続けて、少子高齢化とかふざけた社会問題のせいで未来は暗い。税金も跳ね上がるだろう。未来は暗い。同級生の目はなんであんなに輝いているのだろう。僕は君が怖いよ。集団面接できらびやかに夢を語ってたアイツも怖い。何考えてんだ?どこに希望があるんだ?本当は狂っているだけならいいなとか思ったり。僕はまだまともなのかな。まともだから絶望してるのかな。僕も狂ったら夢とか語り出すのかな。

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