「県」を含む小説

『おめでとうございます。あなたはゲームの参加者に選ばれました。優勝賞金は一億円相当。是非ふるってご参加ください』 そんな招待状を受け取った七人の男女は、鳥取県の大山にあるペンショ…

　山口県熊毛郡平生村田布呂木（たふろぎ）の林の奥に粗末な庵が建っていた。そこの主は名を白井小助といい、号を「素行」と称していた。 　維新直後には周防平生村の造り酒屋の用心棒をして…

ホームレスとして都内の公園に生きる男。そんな彼と顔見知りなのは一羽のカラスだけ……

明治三三年、佐渡島に生まれた石塚権治は、北見順蔵の手によって新穂村にもたらされた犂を知り、やがて島を出て新潟県を舞台に馬耕技術を教える馬耕教師として活躍するようになる。平成一〇年…

物語は繰り返す。言葉を、そして過ちを。

山梨の高校に通う女の子　小熊。 　両親を失い奨学金で慎ましく生活する小熊は、友達も趣味も無い、何も無い暮らしを変えるべく中古のスーパーカブを買った。 　一人ぼっちの女の子と、世界…

「夜が来たらカーテンを閉めろ！」 父は、病的なまでに夜の窓を忌避した。理由は誰もわからない。 そんな父の訃報を受けて帰省した菜穂。山深い田舎の旧家で執り行われる通夜に、不可思議な…

スゥエーデン式のさようなら 　　梗概 　東京都では一九九六年、全国で四六番目の「青少年健全育成」に関する条例を制定し、二ヶ月後に施行した。いわゆる「買春〈かいしゅん〉処罰条例…

スゥエーデン式のさようなら 　　梗概 　東京都では一九九六年、全国で四六番目の「青少年健全育成」に関する条例を制定し、二ヶ月後に施行した。いわゆる「買春〈かいしゅん〉処罰条例」…

埼玉から、中央本線に乗って。 埼玉在住の二人、一之瀬優貴（いちのせゆき）と、神宮由岐（かみやゆき）は、 山梨県の甲府駅へと向かっていた。 周りの目を気にして、できるだけ目立たぬ…

阿部美代子が所属する仙台第一女子高校弓道部は、他校のコーチから「三十年前の伝統校も、今や面影なし」と揶揄されるほど、技術的にも精神的にも停滞していた。現在の部員数は、二年生が一人…

最近の「子供の描いた絵」は凄いことになっている。私はそのことを「母の日」に実感した。「母の日」が終わってしまった皆様の場合、次にそのことに気がつくのは「父の日」になるだろう。但し…

＊物語は、旧日本軍の「ある日の出来事」から始まり、未来の話で終わります。六章構成です。 　長野県松本市の小学校に通う笠井瞳子は、愛読している覆面作家の正体が「同級生の父親」と聞…

小学五年生の笠井瞳子は両親の関係に疑問を持っていた。親友の山田聡子の自宅に遊びに行き、その両親の親密な様子を見ていると、自分の両親の関係が不安定なものに思えて仕方がない。そんな瞳…

朝、笠井瞳子と山田聡子は学校が騒がしいことに気づく。人の流れを追って校庭に行くと、そこには巨大な鳥の文様が描かれていた。その絵を見て動揺する山根に、瞳子は「ある日の出来事」を思い…

笠井鞠子は幼い頃、長野県警山岳遭難救助隊の神条が遭難者の救助にあたっているところを見て以来、「正義の味方になりたい」と考えていた。高校生になった鞠子は学校の文化祭で神条の講演を企…

笠井洋は会社の上司から海外転勤を打診される。その話の裏に何か別な意図がありそうだと考え、即答を避ける洋。同じ頃、笠井鞠子は松本警察署長から事件が県警本部預かりになったことを告げら…

小学校は夏休みに入ったが、笠井瞳子に会えない山田聡子は元気がなかった。一方で聡子は、瞳子に関わる掲示板の書き込みを鈴木真凛とともに密かに探り始めていた。また、笠井鞠子の退職に伴っ…

渋谷のアンダーグラウンドで開催される賭バスケット場『GARDEN』。 そこの主であり、アンダーグラウンドの王である藤堂にスカウトされ、 蘇我は『掃除屋』として賭け試合に明け暮れ、…

Ｂ県西部の山間部、根津村周辺では、奇祭と名高い「風祭」が毎年行われている。祭の最中に人が消えるという「風流し」の伝承が残るが、それは話の中だけのことだと思われていた。ところが昨年…