正直な話、自分は弓道に全く興味がありませんでした。ですから的に当てるなんて、ひたすら射って練習していれば、すぐに出来るようになるだとか思っていたのですが……。
読了後、そんな浅はかな考えは跡形も無く消え去ってしまいました。足運びから、ほんの少しの指先の所作まで、あらゆる動作が結びついて、初めて的に中るのが弓道という競技なのでした。全然知らなかった……。
しかし、もっともっと感激したのは、そんな蒙昧だった自分がなんの予習もないまま、するりと弓道の概観を理解できてしまったことです。ただ、女子高生達の繰り広げる痛快な青春劇を体験しただけで!
本来、こういった武道を学ぶには並々ならぬ努力と研さんが必要とされるはずです。それをこんな手軽に、しかも楽しんでできる日が来ようとは……科学の進歩は素晴らしいですね(違う)。
冗談はさておき、つまるところ自分が言いたいのは、この作品には盛りだくさんの見どころがあるということです。弓道の何たるかはもちろん、読者を惹きつける軽妙な登場人物のやり取りや、ついページをめくってしまう熱い展開の数々……これら全てが盛り込まれ、かつ全体の調和が取れている、例えるなら具だくさんのスペシャルパフェのような、そんなお得感のある作品です!
ぜひ、ご一読をおすすめしたいです!