「現代×和風」を含む小説

《本文抜粋》 　少女は藁人形に右手を翳し瞳を閉じた。 　後は祈るだけ。今はただ、それを成すことだけに集中すれば良い。 　遺恨は断罪者の存在を許す。執行する。たとえ罪人が己の罪咎を…

最後に、素敵な恋がしたかった。 世を儚んで龍が淵の滝壺に身を投げた、 アラサー女子の深琴(みこと)。 飲み込まれる寸前に零した未練に応える声があった。 「──その願い、聞き届…

　 松浦かなめは、幼馴染の野坂宗也とバディを組んで、妖相手に仕事をするのが夢だった。高校一年生の初夏、かなめの中に眠る“ある方“を起こしに来たという妖によって、かなめの本来の力と…

どこにでもある田舎・伏見谷で普通の高校生として暮らす平凡(？)な妖狐・壬は、ある日、格も次元も違う鬼の女の子・伊万里と出会う。 彼女は、三百年前に妖狐の谷・伏見谷をつくり世を去っ…

　常に友人に囲まれている青龍寺（しょうりゅうじ）は大学生活を満喫している好青年に映る。しかし裏では人命に関わるシーンに遭遇してもアヤカシの収集を優先する冷酷なコレクターだ。 　人…

　世界中にダンジョンが出現して何十年と経った現在。冒険者たちは各々の目的でダンジョンに潜る。そこに眠る魔術的な遺物を得て生活の足しにするために、ダンジョンの神秘に触れるために、あ…

松前謙介は物心ついた頃から己に付きまとう異形に悩まされていた。 高校二年に進級した数日後、謙介は不思議な雰囲気を纏う下級生と出会う。彼は謙介に付きまとう異形を「近づくもの」と呼び…

殺伐感情戦線参加作品 実際に全国ニュースになった「庭に数センチの透明な球体がある」という現象は、実は龍の涙によるものだったというお話。あのニュースの裏にはこんな百合があったのかも…

　KAC2021参加参加作品が、思いの外気に入ったので、一つの作品にまとめました。 　人間と人間以外のモノが織りなす、日常的和風ファンタジーです。

狐や幽霊、鬼などの様々な異類と人間の幸せな結婚生活のお話

──鏡の向こうにはワタシのお友達がいるの。その子はもうひとりのワタシ。 なのに何故なのかしら？ とても悲しそうな顔をしているの── （全６話） 個人サイトにも掲載しており…

四国のとある町。不可思議な噂が伝わる暴力団に代々伝わる箱。警察から依頼されたお祓い。消えた神主。謎を追う男、秘密を知る女。右と左、富と欲望、呪いと窃盗。「ヤマギシさん」。 ――…

そのロリコン、最強につき――！ 欧州の小国、聖ソレイユ公国第三公女、 『アンジェリク・ド・ラ・ソレイユ』は小学六年生だ。 その執事を務めるのはロリコンとして有名な『真上白』。 …

祖母の葬儀の前夜、ひとり線香番をしていた伊織の前に付喪神が現れた。彼の願いは？

朔《さく》には親がいなかった。物心がついた時にはすでに施設にいて、ひとりぼんやりと生きていた。 ある日のこと、そんな朔のところに『ご主人さま』が現れる。彼は朔を引き取り、大学卒業…

そして少年は奔るを知り、遺すを知る――生贄になるために生きた少年と、生贄で作られた男の、ほんの少しの日常譚。その遺恨。 前作「捨てるに覚える子の慟哭を」→https://ka…

ある夜、わたしは誰かに見られている感覚に襲われる。振り向くと、そこには身の毛がよだつような姿の鬼がいた。 恐怖に駆られるわたしのもとに「鬼討ち」を名乗る少年が現れる。 鬼を消す唯…

高校3年の夏休み。神代 夏希(ｶﾐｼﾛ ﾅﾂｷ)は偶然見つけたアルバイトの面接に行く。そこで出会った何でも屋の店主、榊 蒼真(ｻｶｷ ｿｳﾏ)はかなり変わった人物だった。

”あいつ”と出会ったあの夏の、俺が体験したことを物語形式で書いていくよ。 信じらんないと思うかもしれないけど、俺だって最初は信じられなかった。 でも、あいつと過ごした日々は絶対に…

祖父の遺品である風鈴を譲り受けた高校生・湊（みなと）。祖父はどういうわけか、冬の日でもずっとそれを窓辺に飾っていたのだが、その理由は誰も知らなかった。 しかしその1年後、うだるよ…