「夏 SF」を含む小説

　すばるの眼にその少女の身体は、樹々をとおしてふりそそぐ夏の光を織って作られたみたいに、淡く輝いて見えた。

夏の海、灯台に住むミドーには決められた仕事があった。それは灯台からの観察記を毎日つけるということ。 空模様、風、海、鳥山、気温、風見鶏の動き、灯台の周りの薔薇、磯の小魚たち……海…

人工流星を流すために宇宙ステーションで働く伊緒は、いつものように流星衛星の準備を進めていた。 その日の流星の材料は、人間の骨。 夏の迎え火の晩、一夜の天文ショーは、故人の命の火を…

新潟県上越市大島区（旧東頸城郡大島村）を舞台にした、短編の連作です。

8月の喫茶店、テラス席のパラソルの下で僕は彼女から「この町が同じ8月を繰り返し続けている」と世界の秘密を打ち明けられた。 その日から、僕と彼女の、ループする8月を脱出するための…

※猫好きの方、閲覧注意 完結済ホラーです。 突然夏のある日に閉じ込められた少年が背負った物語。 夏の少し変わったホラーSFをお届けします。

大学時代の同級生が家を訪ねてきた。 金の貸しをなしにする代わりに、 指定したところに連れて行ってくれという。 俺は言われるがままに車を走らせた。 社会人男性二人であちこちにドラ…

※ 2021/4/17 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第19回 お題「幸福」】 　”私”は就活をサボり親の脛をかじりながら漫然と日々を過ごしていたが、周囲が移ろうのに焦燥を募ら…

僕の記憶は二十五歳の夏で止まっている。いわゆる前向性健忘というやつらしい。 事故で損なわれた脳味噌は十時間より長くものを覚えていてくれない。 僕は覚えていない。家の場所も、昨日や…

　大学生の青年がリーダーとなり、先輩たちの遺志を受け継いで行っていた人工衛星発射計画。ロケットが無事に大気圏を突破したことによって、それは成功したかのように思われたが…… 　「…

「時空警察です。未来から来ました。あなたを殺しに」 時空警察の固有番号２０２０は、大虐殺事件を解決するため、２０２０年の夏へとやってきた。 抹殺対象は、固有番号２０２０と同性同…

同級生のたくちゃんが大・大・大好きな17歳のるみは、夏休みの補習中に突然2020年の夏にタイムスリップ！一体どうしてここに来たの？過去に戻れるの？たくちゃんはどうしてるの？ 不安…

未来の話、レジャーホテルは、無くならなかった……。 コロナウイルスも無くならなかった･･････｡ 無くなったのは、僕らのやる気だけ。 ちょっと、大人のSF。

それは幾度目かの2020年の夏の事。 「ひと夏の思い出作りに、山へ行こう」 突拍子も無く言い放たれた姉の言葉に、少女は懐かしい山へと訪れた。 （カクヨム2020夏物語：2020…

　３ＸＸＸ年、人類はついに並行世界の観測に成功する。 　 　それから数年、並行世界を擬似的に再現し改変するこの技術を使った一つのゲームが開催される。 　 　主催のパラドックス社は…

あれはいつ頃の話だったか。 そうだ。あの日は確か、俺が高校二年の時、2020年の夏くらいの話だったと思う。 あの日も俺と彼女は、ただひたすらにくだらない話をしていた。 でも彼女か…

厄介な病原体が世界中を覆い尽くした２０２０年夏。 帰宅中のあたしは突然気を失った。 目覚めたあたしの前には一人の女。 彼女はあたしにこう言った。 「私は未来人。千年の時をさかのぼ…

2020年夏――― 世界的に拡大した感染病の副産物として生まれた“夢”な世界。 人々は“夢”のなかで、教育や仕事をするようになるが、主人公は“夢”のなかに違和感を感じていた。 …

夏のＳFと言えば、「夏への扉」ですね。「夏への扉」のキーパーソン(動物？)と言えば、アレですね。「楽しくて、ジンとくる」ティストで仕上げました。