「因習」を含む小説

その日、フリーの記者、沢村良介《さわむら らょうすけ》は取材の為にある小さな漁村を訪れた。美しい海が広がる長閑な漁村……。しかし、そこには想像を絶する恐怖と悲しみが潜んでいた。 …

祭囃子の賑やかな音が遠くで騒ぐ夕暮れ時 語られたのは有り得ざる過去の話 ナニかに操られたような村人── 遠くを見通す両の眼── 闇に浮かぶ無数の般若の顔── 果たしてこ…

因習村の祠を壊した俺は、のじゃ口調で一人称がワシの幼馴染に怒られてしまう。「お前あの祠を壊したんか！？」と。

アリジゴクというのは、ウスバカゲロウの幼虫だ。 蟻が砂の巣の中に落ちていくのをずっと待っている。 蟻は一度巣の中に落ちてしまうと、二度とは這い上がれない。 それは蟻にとっては地獄…

　ここは、現代日本に似た雰囲気の『帝国』。帝国の裏社会には、迷い込んだ哀れな人間を喰らう妖魔が巣食っていた。 　帝国の治安は良好。故に裏に転がり込む人間は少なく、妖魔どもは常に…

カクヨムコン9に寄せて書いた、完全新作長編ホラーです。 ある地方都市に程近い小さな山間の町。 そこに越してきたある家族は何かがおかしかった。 日常が徐々に犯されていく恐怖をお楽…

しゅるりしゅるりと束なる穢れ。 東北地方の山奥に佇む忌み地、奥森。 八峰の外輪山が、まるで溢れ出る穢れを防ぐかのように忌み地を囲う。 溢れる穢れは互いに絡み合い、濃度を増す。 穢…

聖女として育てられ、聖女として世界の命運を賭けた儀式に挑むことになったマール。 遠い遠い火山にまで到達したのだけれど、彼女の故郷から幼馴染のリッツが追いかけてきたのだ。

古き風習に埋もれる田舎の一家、亀井家に引越しの話が持ち上がった。 運命を受け入れ、新しい生活が始まると思われたが、駅建設の陰には謎めいた自殺者の連鎖が……。知らなかった過去が未来…

未婚の男性が亡くなると、同じく未婚で亡くなった女性と結婚させる冥婚の風習がある田舎の話。 ※登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

これはノンフィクションストーリー。 平成初期の片田舎であった話。 不平等、暴力、貧困、因習、そんなことと向き合った化け物と呼ばれた僕の物語。

家永万由里は無人の屋敷に住まう幽霊である。 屋敷から出られず、毎日食べることができない食事を自分で用意して捨てる毎日を続けここを病みかけていた。 屋敷は幽霊騒動で恐れられて、誰も…

とある山間の村で、行方不明者が続出した。 神隠しを揶揄していた村人達は、ひと月後、天井からぶら下がるそれを目撃して恐怖に駆られた。 民家の天井からぶら下がり、降ってきたのは、…

――長の一族に男が生まれたなら、二十歳の誕生日に神に捧げなければならない。 俺の生まれ育った村に伝わるしきたりだ。 これは、そんな神に捧げられる俺が二十歳になった日に起こった出来…

因習蔓延る村に隠された曰く付きの祠。 それを破壊するのが俺のライフワークだ。 一度祠を壊したときから、俺は呪われまくっている。体温が上がり続ける呪いには体温が下がり続ける呪いと…

消滅寸前の過疎村が因習で村興しをする話です。

その化け物は、脳の中にいる。 厳格な教師や温和な保育士が突発的な殺人未遂を犯し、過去に罪を犯した老人は自らの身体を削って命を絶つ。 異様な事件の数々の裏には、病に侵食された者に…

その人を、見てはいけない、話しかけてはいけない、語ってはならない―― 地方の旧家である佐倉家には、奇妙な風習が残っていた。 それは家の存続と繁栄を願って、生き神様をたてまつると…

五年に一度のお祭りの日には特別な肉を食べる。そして私は次の巫女に選ばれて、地下牢に幽閉されている『陸の人魚』と言われる青年と恋するように命じられた──。 ---------- …