概要
僕達は、死者のために生きてはいけないんだ。
親友の希絵を殺人事件で亡くしてから約四年。
高校生になった志緒は、保健室でクラスメイトの共田に出会う。
友達になりたいと思いながらも保健室登校の状況を気遣い手だけ振って別れた翌日、その共田が第一校舎から飛び降りる。
放課後、志緒の目の前だった。
共田は、なぜ飛び降りたのか。
「気になるなら調べてみたら? 警察はどうせ、事件性のない案件の捜査は適当だし」
主治医である美貌の小児科医トーマスの勧めもあり、早速調べ始めるが――。
--------------------------
約14万7000字の作品です。
高校生になった志緒は、保健室でクラスメイトの共田に出会う。
友達になりたいと思いながらも保健室登校の状況を気遣い手だけ振って別れた翌日、その共田が第一校舎から飛び降りる。
放課後、志緒の目の前だった。
共田は、なぜ飛び降りたのか。
「気になるなら調べてみたら? 警察はどうせ、事件性のない案件の捜査は適当だし」
主治医である美貌の小児科医トーマスの勧めもあり、早速調べ始めるが――。
--------------------------
約14万7000字の作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心と身体は不可分であるが故に。
本作はミステリである。
なのでネタバレに関してはとてもとても留意したい。
よって感覚的な部分について記しておきたいと思う。
まず、悔いの残る事件の発生からこの物語ははじまる。
読んでいるこちらとしても、共感の多いスタートだった。
主人公である志緒はこの事件の真相を追う。結果、新たな友人達と知己を得、またその事件を追う中で、過去、志緒とも深くかかわったとある事件が存在したことが浮き彫りになってくる。
そこで得た経験を持って進むのが、後半の過去解決編である。
これは、冒頭の解決から導き出された「変容」という引金によって幕を開けた、過去の事件の「続編」とでも言おうか。
全ての事象は集約…続きを読む - ★★★ Excellent!!!そして時計は動き出す
人の心は柔らかい部分を持っている。それこそ大きく傷付けば、己の時計すらも止めてしまうほどに。
かつて親友を殺されて失った少女と、その少女が友達になりたかった生徒。そして取り巻く同世代の生徒たちに、おとなたち。
調べてみたらという言葉に従って事件を調べることにした彼女の辿り着いた先は。
高校生もまだ、難しい年頃ではあると思う。
子供よりは成長し、けれどおとなにもなりきらず。そしてやわらかな心を持っている。
この事件がなければ出会うことのなかった人々、向き合うことがなかったもの。
それでも主人公はきちんと逃げずに向き合い、真実まで辿り着くのです。
筆力ある文章で綴られる、心の物語。
時計はど…続きを読む