第8話

5時限目、体育。


「むぅ。ねむったい、」

「直ちゃーん次だからねー。」


「…、」


「颯太、直ちゃん寝てんぞ。」


「直、直ちゃん?直くん?起きなさい?」


「ぐぅ、」

「おぉ!直が立って寝てる…。」



バスケットボールのコート内で教科担任が直のチームを呼んだ。


俺は仕方無く直の腕をひいて並ばせる。


「直ー頑張れよー!」


女の視線も羨望も一身に集める直に敵対心や嫉妬心を向ける男は居ない。


眉目秀麗、文武両道

他人に興味を示さない上、睡眠欲と食欲しか訴えない直に張り合うなど

愚の骨頂だ。


「すや、」

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