第6話

昼休み、俺は直を連れて学食に向かう。


「直ちゃんやい、何食おうか。」

「ん、カレーに、」

「はいよ。」


俺は直から金を渡されて、券売機に並びに行く


…途中で方向転換。萌がいた。


壁に凭れて通話を終えたばかりらしい萌の真ん前に立つと

左手で顎を掬い唇を貪った。


「な、何すんの。」

「愛しの彼女にフレンチキッス?」


タイムロスは許してもらおうかな。

直をチラと見れば、女子に囲まれ頭を撫でられていた。


其処だけが色素の薄い、黄金色の濡れた瞳は俺に助けを求めてる。



「颯太(ソウタ)、キスしちゃだめ、」


二人分のカレーを手に席に戻れば

直が涙目で俺に訴える。


群がられるのは未だに慣れないらしい。



「今日は早目に切り上げたでしょ?」

「…やだ、」



俺がやだよ。直に変な気起きそうだ。

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