第21話

『直くん駄目だって言ったじゃん!』


『なんでだよ!あいつが悪いんだろうが!』


『だからってやって良い事と悪い事が有る!』


『知らねぇよ!』


『…直くんなんか大っ嫌い!』




「俺は今も好きなんだけどなぁ。」


10年も過ぎた日を再現した夢。


それから目覚めた直は、小さく小さくリーナに呟いた。



この微かな音の振動が彼女へと届きますように。


それが叶わぬと、こんな直では在るが、理解している。

理解しているからこそ、騒ぎ立てずにいるのだ。


騒ぎ立てて伝わるのなら


「この声が、枯れても尚と…ご、しーちしち、」

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