第32話

それは翌日の古文の時間だった。



「じゃあ俳句と川柳と短歌の違いは分かったよね?」

西田がそう言った途端


ガタタッと椅子を鳴らして立ち上がったのは、直。


「短歌、ありがとう、」


西田が頬を染めた。思い出したのだろう。


「教わって楽しかったってー!」

俺はフォローしておく。保護者さんだからな。




「ほっぺにちゅは、しないけど、」


此処でまさかの爆弾発言っっ!!!


もろアッチの経験が乏しそうな西田にはまたもや羞恥プレイ状態だろう。



「こら直、当たり前の事言わないの!

お前、しないとか、逆になんか西田可哀想だろ?」


俺は小声でたしなめたが、少し考える素振りを見せた直は西田に顔を向けた。

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