第16話

◆颯太side.


「颯太、れーなたゃ…ちゃん、どこかしら、」


高木さんに出会った翌日、直が俺に聞いてきた。


「言い直す直ちゃんサイコー!そして他人に興味を示している…!パパは嬉しいぞ!」


「見付けたい、手伝え、」

「たまに命令形の直ちゃん。ぐはっ。よしよし待て待て。」


俺が携帯を取り出すと、直はキョトンと俺を見ている。


携帯を操作して、中学の同級生でもあったE組の荻原オギワラに電話をかける。



「しーだからな?…おお、荻原?高木怜奈が何処のクラスか調べといて。んじゃ。」


「荻原はね、直くん。凄まじい情報網で調べあげるからさ、果報は寝て待て…てありゃ。」


「…ぴぃ、」

「わお直ちゃん!鼻が鳴っちゃうなんて可愛ーい。」



虚しいかな俺。

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