第35話

疲れていた直は自室のベッドにひっくり返 った。



駆け付けてくれた時

ノートを拾ってくれた時

口付けて頬を染めた時

笑った時


彼女の柔らかな頬の感触も、その瞬間に駆け抜けた電流も

直は欠かす事無く覚えている。



もっとあの子に触れていたかった。



そんな欲求はそうだ、彼女を抱き締めた時から微かに有った。



その欲求の名は?



「……、」

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