第29話

「ありがとう、」


ちゅっ

「ひゃあぁっ!」


「れーなたゃん、ばいばいね、」

頬を染めて、神林くんはノートを持って立ち去った。


「ごめん高木さん!言い聞かせとくから!!」

後を追う和島くんは、保護者の様だけど



きっと彼も気付いていなかっただろう。

これから私が窮地に追いやられる事を。



この一部始終、周りは悲鳴や歓声に包まれていた。


神林くんだからと笑っていた人もいた。




けれど

それでは納得出来ない人が存在している事を


私達は気付いていなかったのだ。

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