第24話

◆颯太side.


「おい、神林。ぐっすり眠ったみたいだからお前、クラス分のノート集めて持って来いよ。」


そう直に言い渡したのは数学担当の岸和田。


「ぶー、」

「ぶーじゃない。はい、だ!分かったな?」


そう言って教室を出た岸和田を見届け、女子が直に集まる。


私があたしがと、直に恩を売りたいのは見え見えだ。


「ん。でも自分で、」

ノートをかき集めた直は俺に黄金色の目を向けた。

着いてきて欲しいのだろう。


「ソタ、着いておいでよ、」


妙な上から目線の声が届くとは。


ソタって、適当だなオイ。


仕方無く立ち上がれば嬉しそうだから良しとするか。



「ああ重い、沢山ノート、重たいな、疲れた眠い、眠い疲れた、」


最後の2句が残念だが本人は得意気だ。

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