第14話

「うっわぁ、神林直と和島颯太じゃん!」

「う、うん。」


「良いな ぁ、怜奈。あたしもギュッてされたかったー!和島颯太が良いけど。」



神林直…彼はその容姿と不可思議な言動で有名だ。


口癖の様に眠気を訴えているが、成績は学年5位以内。

黄金色の双眼は色素の関係らしいが、髪は黒い。



和島颯太(ワジマ ソウタ)…彼は神林直の…保護者だそうだ。


彼は髪こそ金色で派手だが、長身に男前な顔立ちで、気さくなフェミニストで知られている。



二人が絶妙なバランスでゆるく着こなす制服は最早他の男子とは別の物にさえ見えてくる程で


二人が並べば、ならではな空気がそこに漂う。



「おはぎさん、食べたい、」

「直ちゃんさっき食べ過ぎたよね。」

「むむ、そうだった、」


二人の背中を私は只々見つめていた。


「和島颯太…格好いいよねぇ。うふふ、ふふふ。」


杏華はスルーして。

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