第14話  エーテル星人の家

「ピンポーン」チャイム。

ハヤトとアカネだ。

「今、行く。」

「お邪魔します。」

両手にお菓子の袋を下げている。

彼らも、どうやら張り切っているらしい。

お祭り、パリピは良いことだ。

ハヤトが「ノボル、泊まりの許可も母さんにとって来た。今日は徹夜でゲームだ。」

「ハヤト、なんだかワクワクするな。来てくれて、ありがとう。」

僕はまだ、ぎこちない。

ハヤトが「ノボル、なんだよ。ぎこちないぞ。僕ら友達だろう。それに遊びに来ているのは僕のほうだ。ほんと来ても、よかったのか?」

何かが,ふっ切れた。

僕は笑顔で「問題ない。待ってたよ。ブラムは部屋ゲーム中。アカネも、どうぞ。」

アカネは「私は兄貴がバイトの帰りに迎えに来るまで。」

「アカネにお兄さんがいたんだ?」

「えっ?ノボルのお兄さんと同級生よ。確か、高校が一緒だったみたい。」

「そっか。じゃあ、それまでゲームやろうぜ。」

アカネが「私はゲームじゃなくて、話が。」

「まあ、あがってくれ。」

僕らは2階へ。

ゲーム専用の机はブラムが占領。

「ブラム、みんな来たぞ。ゲームは一時中断しろ。」

「ノボル、今、いいところなんだ。」

ハヤトが画面を覗き込む。

「ブラム、結構連射すごいな。装備は?もう少し変えた方がいいかも。あっ右。」

「バーン。ツルルルルー」ゲーム内でさびしい音がした。

「負けた。」がっくりしたブラムの声。

ゲーム専用の回る椅子。ブラムがお菓子の山を発見。「食べていい?」と聞きながら、すでに口の中はモグモグ動いている。

「ノボル、地球のお菓子は、ほんとおいしいな。」

アカネがすかさず。「ブラム、今の発言。やっぱりブラム、ノボルは宇宙人でしょう。」

ブラムが「そっだよー。エーテル星人。578億光年離れている星から来たんだ。」

ハヤトが「嘘だろう。そんな遠い星から。地球人が到着できたのって月ぐらいだろう。あれ?火星か?」

ブラムが自慢げに「テレポーテーションでこの地球に来たんだよ。」

ハヤトは動じず、自然に「えー、すごいな。」

「逆にハヤト、すごいな。」思わず声に出ていた。

アカネはテレポーテーションの言葉に反応したのか?あたふたしている。

ハヤトが「ノボル達が、エーテル星人だったら、僕とアカネは地球人。エーテル星人から見たら、僕らは宇宙人だ。すごいだろう。」

ハヤトの素直な発想に驚く。

アカネもハヤトの発言に固まっている。

「ハヤト、君って凄く頭がいいのかも。」

「そうだ。」ハヤトが、ニヤリと笑う。


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