第22話 宇宙交易アトランタ
時空移動はあっという間だ。
アカネが「ノボル、質問。私達がアトランタに戻っている時って、元の世界の私達はどうなってるの?」
「いい質問だ。」
ブラムが「また辺境の星、地球人が聞きそうな質問だな。」
ルークが「ブラム、僕の可愛い妹をいじめないでくれ。なあ、アカネ。」
「ありがとう兄貴。」
僕はアカネに「時間は進む。戻る。2方向だ。対象生命体は自由に時間を移動することができる。が生命体はその時点にしか存在はしない。時間移動をした時点で元の世界の対象生命体の存在は消える。元々、存在しなかったことになる。僕ら宇宙人、地球人以外の生命体は時間移動が普通にできる。だからアカネは心配しなくていいさ。家族も学校もみんな、アカネの存在を知らない。だから心配しない。」
ハヤトが「それってどうかな。ちっと寂しいな。」
ブラムが「そうか?感覚の違いか。存在が消えることを可哀そうだとの感情は、ない。これって星の違いか?」
僕は「そうだな。たぶん星の価値観の違いだな。これは普通のことだ。それに元の時間に自分がまた戻ればそこで自分の存在はある。ただ、それだけさ。宇宙全体でOKって感じはOKだ。」
アカネとハヤトが「とりあえず、納得。」
僕らはアトランタの街を歩き出した。
すれ違う人々の中に明らかに地球人以外の生命体が歩いている。中には宙を浮いて歩いている人もいる。まさに宇宙交易の街だ。
「ここ、ほんと地球なのか?」
「そうだ。約9000年前の地球の大陸の一部だ。ハヤトも教科書で見たことのあるような白い服装の地球人が目に入るだろう。」
1人の少年がバスケットを抱えて近づいて来た。
「君達、何星人?お腹空いてない?パン買ってよ。」
オリーブを混ぜ込んだ硬い丸いパンだ。
ルークが「アカネ、食べてみる?」
「兄貴、買ってくれるの?」
「もちろんさ。」
「2個で6べタ。」
ルークは、僕と同じく時空のポケットからお金を取り、少年に渡した。
アカネとハヤトが「おいしい。みんなは食べないの?」
「あー、いつも食べてるからね。」
「いつも?」
僕は「言っただろう、僕らは時空移動はいつでもできるって。」
「これ、日常ってこと。」
「そうだ。」
ハヤトが「じゃあ、こんなに栄えたアトランタがどうして消滅したんだ。」
「消滅はしていないさ。敵のゴーカイ星に利益を呼ぶ街として空間移動されたんだ。
地球じゃないゴーカイ星に。だから今も宇宙には存在しているよ。」
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