第2話  578億光年から来たブラム

「君に会うために遠い星から来た?そんな話をはい、はいと信じるわけないだろう?ブラム、君は誰だ?」僕はブラムの顔をびよーんっと両手で引っ張った。

「いたいぞ、ノボル。離せ。」

「いたい?じゃあ、生きてるのか?」

「ノボル、僕は君と同じ生命体だ。分身だ。」

僕は顔をブラムにくっつけた。確かにそっくりだ。髪の色が緑。そこだけ違う。

0時過ぎのベランダで僕は夢を見ているのか?

携帯でまたブラムを「カシャーン」うつっている。実在してる。

少し寒くなった。僕は部屋に入ろうと振り向いた。

「?」

「ブラムなんでお前が先に部屋にいるんだ。」

「寒かったから部屋に入っただけさ。」

「ずうずうしい奴だな。でもどうして、ブラムは、この狭いベランダから先に入ったんだ?」

「あーそれ、テレポーテーションした。」

「テレポーテーション?魔法か?」

「ノボル、僕は魔法は使えないよ。テレポーテーションは単なる空間移動だ。

宇宙ではみんな簡単にできることさ。

悪いが、この地球は遅れている。僕らから見たら、旧石器時代ぐらいの生命体レベルだ。」

「ブラム、それはひどい言い方だな。僕ら地球人をバカにしているのか?」

「いや、バカにしていない。事実を言っただけさ。黒髪のノボル君。」

「ほらね、絶対ブラム、僕のことバカにしている。」

「ガラガラ。」僕はベランダの窓を閉めた。

ブラムは勝手に僕のゲーム専用の椅子に座ってる。

「なんだか腹が立つな。」「ノボル、そんなに怒らない。カラダに悪いぞ。」

「ブラム、お前が言うな。」

「で、ノボルは目の前の僕の存在を受け入れたかい?」

「いやだが、存在は認める。が早く出ていってくれ。それに僕と同じ顔が2人いたらみんなが混乱する。それに一体何をしに来たんだ。」

「僕は僕の分身2人に会うために来ただけさ。地球でもこんな話はないか。

世の中に自分と瓜二つの顔の生命体が3人いるって。」

「聞いたことはある。似た人間が3人いるって。」

「その3人は地球で3人じゃなくて、宇宙全体で3人いるってことだ。

どうしてか、いつもこの地球に伝わる話は外の世界、宇宙とは、いつもズレがある。都会と田舎って感じかな。」

「ブラム、またバカにしたな。」「してない。それから、しばらく僕は地球に滞在することにしたよ。もっと話したいがノボル、今日は578億光年のテレポーテーションで疲れた。このまま寝かせてくれ。」そう言ってブラムは2段ベットの上のベットに倒れこんだ。

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