第13話  普通の地球人?

授業はいつも通り終わった。

ハヤトもアカネもウキウキしていた。

「じゃあ、あとで。」

「じゃ。」

校門で別れた。

僕はブラムと歩き出した。

「気のせいか、2人とも教室での声が一日中、大きかったな。」

ブラムが「そっか?地球人は、やはり未発達。うれしいからって声や態度に出すのは子供だな。」

僕はムッとしながら、「2人とも素直で正直な性格なんだ。それにブラム、僕は今、エーテル星人としての記憶は皆無だ。僕は地球人としての記憶しかない。なんだか、バカにされたようでいやだ。」

「そっか、ノボル、それは悪かった。

ついエーテル星と比べてしまう。」

「べつにいいさ。」

僕は、コンビニによることにした。

母さんがカレーを作ってくれているが、せっかくの泊まり会だ。お菓子を食べてパーティー気分になりたい。

「ブラム、コンビニに行くぞ。」

「コンビニ?」

地球3日目のブラムには初めてのコンビニ体験だ。きっと驚くぞ。

僕らは中へ。予想通りにブラムはキョロキョロ。

僕はお菓子コーナー、通称そこを駄菓子屋と呼んでいる。

小さい頃見ていたパンのマンガのチョコのお菓子。

サクサクな棒状のスナック。

機関車の顔のラムネ。好きなんだ。

「あれ?ブラム?」

気づくとブラムはアイスケースの前にいた。

「ノボル、これは冷たいぞ。なんだ?」

「食べて見たら分かるさ。」

僕はアイスのチョコとバニラを入れた。

レジに向かう。

会計後に僕らはコンビニを出てすぐさまアイスを食べる。

「ブラム。冷たくて、甘くておいしいよ。」

どうやらブラムは冷たいものが苦手のようだ。そういえば、会ったときからブラムの体温が低かった気がした。地球生命体以外は基本、体温がかなり低い。

僕は?僕も体温は低めだ。

「冷たい。」ブラムがアイスを落としそうになる。

「ブラム、大丈夫?」

こわごわブラムが口を開けた。

「そういえばエーテル星人は口からの食べ物の摂取はあまりしないと言ってたな。」

「そうだな、進化すると比較的に口も耳の鼻も小さくなる。シンプルな顔立ちになるが不思議と目だけは大きい。」

「いつかTVでやってた宇宙人と同じだな。とにかくブラム、アイス一口食べてみて。」

「あむ。おいしい。なんだこれは?こんなに冷たくて甘い食べ物を食べたことはないよ。エーテル星にもないよ。」

「ブラム、気にいってくれてうれしいよ。ハヤトたちも喜んでくれるといいな。」

「そうだな。」

地球人もエーテル星人もお菓子は好きなようだ。

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