第20話 エーテル星の敵?

流れ込む僕ら、妹のアカネを見てルークは

「あれ正体がバレたかな。」

ルークは赤髪をかきあげた。

アカネは怒った顔で真っ赤だ。

「兄貴!説明して!本当の兄貴じゃないの?」

「そうだ。途中から兄貴になった。元々アカネは一人っ子だった。ノボルの地球着陸前の電磁波を受け取ったのはアカネと葉山だ。葉山の電磁波と僕の電磁波が同じベクトルだっため、あえてアカネの家族を選んだ。それだけだ。

でも勘違いするなアカネ。僕はエーテル星人のルークだがアカネの兄貴だ。」

アカネの顔が少し和らいだ。「そうね、どこの星でもかまわない、兄貴は兄貴よね。」

「そうだ。」ルークはアカネの頭をなでた。

ブラムが「でもルーク、サバイバル体験では進化系は使わない決まりだぞ。」

「知っている。こちらにも事情があってのことだ。」

僕も「ルークその事情の説明をしてくれ。」

ルークは部屋の2段ベットを見て

「ノボル、地球での兄さん、タカは元気か?」

「あー、元気だ。兄貴とは同級生なんだよな。」

「そうだ。」

「4月から大学に行って今は寮生活だ。」

「そうか?何か変わったことは、なかったか?」

「最近、話していないからわからない。携帯の機種変更で欲しい携帯が6か月の入荷待とか言ったぐらいだ。特に変わったことはないな。」

ルークが「ノボル、やっぱり気づいていなかったな。ノボルノの兄貴、タカは我々エーテル星の敵、ゴーカイ星の次期王だ。」

「えっ!ゴーカイ星だと。嘘だろう。気づかなかった。」

ブラムが「仕方ないさ。ノボルは負傷して記憶がなかった訳だし。」

ルークが「それはそうだけどさ。敵のタカはノボルがエーテル星の次期王だと知って、ノボルノの家族に入り込んだようだ。ノボル、これまで身の危険はなかったのか?」

僕は記憶をさかのぼった。悔しいくらい、

やさしい兄貴の顔しか浮かばない。

事実が受け入れられない。脳内がパンクしたようだ。

「身の危険を感じたことは一度もない。」

逆に母さんに叱られたときには、兄貴がかばってくれていた。

悪い、冗談であってほしい。事実であれば、僕は、かなりの大バカだな。危機感がない。

ルークが「そうか、負傷中の脳はいくら優秀なエーテル星人の脳であっても機能が鈍る。そんなこともあって僕はタカの同級生として、アカネの兄として敵のタカを監視することにしたんだ。」

「なんで、早く教えてくれなかったんだ。」

「そんなの決まってるじゃないか。これもサバイバル体験だからさ。」



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