第30話 宇宙会議バプーの闘い

目の前に無機質で曲線が綺麗な球体の建物が見えた。

他の星はすでに会場入りしているようだ。

今回は辺境の星、地球代表の後ろ盾という立場もかねて僕らエーテル星は出席。

11星ある席枠の1席にいつも通り僕らはついた。地球は招待席だ。

全宇宙の星の数からしてこの席の数は圧倒的に少ない。毎回、参加できなかった星からの不満もあがる。ここに参加できる星は、星の力、権力がある星だけだ。

「カーン、カーン。」木枠の金づち音。はじまりだ。

11星すべて席に着いた。

ゴーカイ星の現王が「タカ、お前も出席していたのか?今回は私が出席すると伝えていたはずだ。」

「そんなことは聞いていませんよ。それに王よ、回遊星にハッキングされましたね。痕跡が見つかりましたと衛兵から聞きました。王こそ、大丈夫ですか?嘘をつくと永久追放です。」

兄のタカと現王が言い争っていると回遊星の議長マルスが「ゴーカイ星の次期王、タカよ。その件は承知している。今回は現王ダラスと次期王タカの登録は2人で承認されている。」

回遊星の議長が再び金づちを鳴らす。

「静粛に。これより会議をはじめる。

今回は招待星の地球代表のハヤト、アカネが参加している。」

ハヤトとアカネが立つ。拍手は、まばら。

声が聞こえる。「辺境の星の地球人が何でいるんだ?」

「場違いだ。」ひどい言葉が聞こえる。

僕は立ち上がり「エーテル星の紹介だ。」叫ぶと同時に地球歓迎の大きく拍手が鳴り響いた。

エーテル星の力は強大だ。

会場の拍手がやんだところで、ハヤトが話しだす。

「地球代表です。みなさまも知っての通り地球は未発展の地です。地球外へ出たのも今回が初めてです。今後はエーテル星の助けのもと、発展していくつもりです。

そして今回の目的はアトランタ。アトランタを取り戻すためにやってきました。」

11星、会場がどよめく。

「あの宇宙最大の交易都市アトランタだと。」

アルファ星の代表が、「アトランタはブラックホール近く、ゴーカイ星の時空空間に存在している。そうだな、ゴーカイ星の王、ダラス。我々は使用料が高くて困っているが。」

ゴーカイ星の王が「そうだ。最初から我々のものだ。」

タカが立ち上がり「それは嘘です。9000年前の地球上にアトランタはありました。僕は見てきました。そうだろう、エーテル星次期王ノボル。ゴーカイ星の王、ダラス、4000年前にあなたが地球から奪ったんです。」

会場がどよめく。

僕ら7人は立ち上がった。

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