11「つまりお前と喧嘩がしたいのだよ」
「狭山あずさ、今休業中って言われてるじゃん?あれ、表向きは学業に専念するためってなってるけど、ほんとは違うらしいんだよ」
学校の教室にて、沢渡が小声で話す。そんな彼を達巳は呆れ顔で見ていた。
「知らねーよ。なんの話だよ。つーかそんな噂、どこで聞いたんだよ」
「東京に住んでる従姉から聞いた。都会じゃ割と広まってる話だってよ」
「都会っ子はどいつもこいつも暇なのか?」
そう言う達巳の声は若干苛立ちを帯びていた。昨日山の中で雨に濡れた事もあって、この日の彼はどこか不機嫌であった。
「つーか、沢渡さ。その話、桜乃にはすんなよ。あいつ狭山あずさのファンらしいし……」
そんな二人の元に、恐る恐る近づく少女が一人。彼女は意を決したように口を開く。
「……おはよう。二人とも。……その、えっと、谷地くん……」
「オレ、トイレ行ってくる」
話しかけて来た真希に対して一瞥も返すこと無く、達巳は席を立った。その背中を追いかけようとして、それでも動けずに立ち竦む彼女に、沢渡が尋ねた。
「喧嘩でもしたの?」
「いや、その……」
「なにあいつ、カンジわる〜っ」
いつの間にか真希の横に来ていた佳奈が、達巳の去った方向を睨んで言った。それからそっと真希を抱き寄せて励ますようにその頭を撫でた。
「気にしない気にしない、あんな奴。それよりさー、沢渡くん、今なんの話してたの?あずさちゃんのこと話して無かった?」
「あずさ『ちゃん』って、ずいぶん馴れ馴れしいな」
「佳奈さー、前の朝ドラ見てあずさちゃんのファンになっちゃったんだよね」
そんな二人の会話も耳に入らず、真希は泣きそうになりながらもそれを必死に堪えていた。
(泣いちゃだめだ。もう、それしかできないのは嫌だ)
グッと歯を食いしばって、顔を上げ、真希は達巳の向かった後を追って教室を出た。
——小僧、どういうつもりだ?桜乃が声をかけて来たのだぞ
速歩で廊下を進む達巳の脳内に白眉の声が問い詰めた。
——昨日のことにまだ腹を立てているのかい。本当に子供だね。お前にだって分かっているのだろう?桜乃は悪気があったわけではない。お前のためを思って——
「うるせえよ」
トイレに入ると、中には誰もいなかった。達巳は所在なさげに洗面台の周囲をぐるぐると歩いた後、何の気なしに水を流して手を洗う。
——用を足すのでは無いのか
「うるせえ」
水を流す音のみが静寂を埋めていた。達巳は視線を上げて目の前の鏡を見る。そこにはなんとも悲しげで苦虫を噛み潰したような表情が映っていた。
「……もう良いんだよ」
——なんだい?
達巳の独り言に、白眉が反応する。
「もう、良いんだよ。桜乃は、オレなんかとつるんでるべきじゃねーんだ。それを再確認しちまっただけなんだよ」
——言っている意味が分からないな。またいつもの世迷言かい
「そんなんじゃねーよ」
達巳は鏡を睨みつける。そこに映っているのは、達巳ただ一人だけだ。
「分かってんだろ。お前も散々褒めちぎってたもんな。桜乃は……あいつは、めちゃくちゃすげー奴なんだよ。本来、こんな辺鄙な町にいて、オレなんかと一緒にいて良い奴じゃ無いんだ。……オレは何を勘違いしていたんだろうな。昨日、桜乃はそれをオレに思い出させてくれたんだよ。それだけだ」
——まだ怒りがおさまらないか
「だからちげーっつってんだろ」
蛇口を乱暴に捻り、水流が強くなる。
「忘れていた事実を思い出しただけなんだよ。だからキレてるわけじゃねーっての。テメーも桜乃も勘違いしてるけど、オレは別にキレちゃいねー。ただ、桜乃はオレに事実を伝えただけだ。オレが異常な家庭の子供だって、そう言っただけなんだから」
——桜乃はそのようなこと言っていない
「言ってんだよ」
——そう聞こえるのは、小僧、お前の認知が誤っているだけだ。もう少し素直になれないのか。桜乃はただお前の助けになりたいと思っただけだ
「『助けたい』って思うってことは、相手を『下に見てる』ってことだろ」
——歪んだ認識だね。桜乃がそうだと、本気で思っているのか?
「オレはそうだった」
蛇口を反対に捻り、水が止まった。
「オレは、あいつを下に見てたよ。弱くて静かで、ダチも少なくて、オレが助けてやんねーとどうしょうもねー奴だって。だから、あいつが自分の夢を話した時に、その手助けをしてやろうって思ったんだ。して『やろう』って思ったんだ。あいつに自信をつけさせて『やろう』って思ったんだ。……でも、あいつはすごい奴だった。あいつには才能があった。オレなんかが関わらなくても、あいつはなんも問題なかったんだ」
閉めた蛇口から、ぴとんぴとんと水滴が落ちる。白熱灯の寒々しい光が達巳を照らす。
「あいつはオレを助けたいって言った。あいつは知っちまったんだ。オレの家がロクでもない家庭だって知っちまったんだ。あいつはオレを助けたいって言った。その言葉がオレはめっちゃ怖かったんだよ。そんで見せつけられたような気がした。とっくにあいつは、オレより『上』だったんだって。オレはずっと勘違いしてたんだ。オレは……自分よりあいつが『下』だと思って優越感に浸っていたのにさ」
——偽悪だね
白眉が冷静に言う。
——偽悪だ。それは。お前の認識はやはり間違っている。桜乃も、お前も、そのような人間では無い
「テメーに何が分かんだよ」
そう言って、達巳は歯軋りをした。鏡に映る自身の像を憎たらしげに睨みつけて、さらに言う。
「オレはそういうやつなんだよ。いくらオレに取り憑いていようが、テメーにオレの心が読めんのか?出来ねぇくせに、知った口聞くんじゃねーよ。オレのことはオレが一番よく分かってる。オレは、父親と同じクズだ。それだけなんだよ」
——私はお前の知らないお前を知っている
白眉は毅然とした口調で返した。
——私は小僧に物心つく前から小僧を見て来た。お前の内面など知らないが、その外面は誰よりも見て来たつもりさ。そう、お前の知らないお前を私は知っている。小僧、心の内だけがその者の本質では無いんだよ。それはその者のたった半分に過ぎない。お前はお前の半分しか知らない
「……何が言いてぇんだよ。意味わかんねー」
——お前は知らないのだろうが、桜乃は心底お前に感謝している。恩人だと言っていたよ
「……だからッ」
達巳は舌打ちをした。
「だからテメーらは何も分かってねーっつってんだろ!オレは桜乃を見下してたんだ!それを知らねーから感謝なんかできんだよ、オレのことを分かってねーから!」
——それが偽悪だと言っているのだ。
達巳の言葉を断ち切るように、白眉は言う。
——行動の伴わない善心に意味が無いように、行動の伴わない悪心にも意味は無い。前者は偽善と呼ばれ、後者は偽悪と呼ばれる。お前の悪心には、行動が伴っていない。行動に出さない悪を裁くことは誰にもできないしそんな権利はお前自身にも無い。むしろお前の悪心は、桜乃の背中を押す、と言う善行に繋がっている。それを偽悪と言わずしてなんとする?
蛇口から落ちる雫も切れた。やがて、予鈴が鳴った。
「……テメーがなんと言おうが、オレはもう桜乃と関わる気はねぇ」
——やはり、怒って意地になっているだけじゃないのかい?
「ちげーっつってんだろ」
——子供だね
言い合いながら男子トイレを出ると、すぐ目の前に真希が立っていた。なにやら覚悟を決めたように強く腕を組み、真っ直ぐに達巳を睨んでいる。
達巳は一瞬その目に戸惑いを見せたが、すぐに目をつむってまた開き、真希から視線を逸らして無言で去ろうとする。
「谷地くんっ!」
真希のものとは思えない力強い声で呼びかける。達巳はそれを無視したまま速足で廊下を進んでいた。その後ろを、今にも彼を追い抜いてしまいそうな速さで追走しながら真希はさらに言う。
「谷地くん……昨日は、ごめんなさい!わたし、谷地くんの気持ちをなんも考えれて無かった。ただ自分のことばかりを考えて……自己満足な想いを谷地くんにぶつけてた。ほんとに、ごめん。……でも、でもさ」
何も返さず、まるで真希をいないものとでも思っているような態度で足を止めない達巳に向けて、真希は大声で怒鳴った。
「でもやっぱり、昨日の谷地くんは怒りすぎだと思う!あんなに怒んなくたって良いじゃん‼︎」
「……はあ?」
達巳はその場に立ち止まり、振り返る。真希の力強い瞳と目が合った。
「なに勘違いしてんだ?怒ってねぇんだよ。オレは……」
「いや、怒ってたよ」
真希が即答する。喋り途中に割り込まれた達巳は、明らか様に気分を害した様子で口調を荒げた。
「テメェになにが分かんだよ。そういうとこがウゼーっつってんだよ」
「ほら、今も怒ってる。でもさ、でも、わたしだってそれは同じだよ?わたしだって、谷地くんに怒ってるんだから」
両手を腰に当て、仁王立ちで達巳を真っ直ぐ睨みつける。これまでの真希の姿からは想像できない強気な姿勢に、達巳は困惑を隠しきれなかった。
「な、なんでお前がキレてんだ?意味わかんねー」
「分からないこと無いでしょ!わたしは谷地くんの助けになりたかっただけなのに、あんな一方的に言われて。めちゃくちゃ酷い言い方されて、ショックだったんだから」
「いやそんなに言ってねーよ⁈思い返してみ⁈」
気圧されて弁解に回る達巳に対し、真希の勢いは止まらない。
「それに今日だって、露骨に無視しちゃってさ!なに?なんでそんなことするの?怒りかたが意地悪で性格悪いよ!」
「て、テメェ……」
体ごと真希の方へ向き直し、達巳はさらに語気を強めた。
「テメェに言われたくねーんだよ!心の中ではオレを見下してるくせにさ!可哀想なやつ、助けてあげなくちゃって思ってんだろ⁈」
「何言ってるの⁈意味わかんない!谷地くんはわたしの何を見てきたの?わたしが谷地くんをそんな風に見るわけ無いじゃん!」
などと言い合っているうちに、授業の開始を告げる本鈴が鳴った。それでも二人は止まらない。
「なんか見下されたとか言っちゃって!谷地くんがひねくれてるからそんな風に思うんだよ!治したほうが良いよ?」
「余計なお世話だっつってんだよ!そういう恩着せがましいとこマジでウゼェよ!このスター気取りがよ!」
——お前達、とりあえず教室に戻った方が良いのでは無いかい?
白眉の諭す言葉も虚しく、二人の言い合いは激しさを増した。やがて程なくして担任教師に見つかり二人揃ってこっ酷く叱られるまで、それは続いたのであった。
「……どういうことだ?なんなんだあいつ、どういうつもりだ?」
学校が終わった帰り道、達巳は一人歩きながらぼやいていた。
「あいつのせいで先生に怒られたし……そのくせ悪びれもしねーしさ」
——桜乃は、小僧のトイレが長過ぎたせいだと言っていたな
白眉が相槌を打つ。達巳は小さく舌打ちをした。
「それは関係ねぇだろ。なあ、あいつ何考えてんだ?昨日オレを眠らせた後、お前らなんの話してたんだ?あれはテメェの入れ知恵か?」
——私があのように誘導したわけではない。正直、私も驚いている。だが……
白眉は真希の意図を理解した様子であった。
「だが、なんだよ」
——なんとなく分かった。あの子は、つまりお前と喧嘩がしたいのだよ
「意味わかんね。なんでわざわざそんな……」
——喧嘩をしなければ仲直りすらできない
そう話す白眉の冷静な口調がいつもより不愉快に感じ、達巳は顔を顰めた。
——実際、桜乃に対して無視を貫くつもりだったお前の意思が、いとも容易く崩された。あの子はなかなかに強かだね
「ウゼェな」
達巳はまた舌打ちをした。
「そういう、テメェや桜乃に転がされてる感じが最高にウゼェ。そういう思惑があんなら上等だよ。あいつがふっかけてきても返さなけりゃ良い話だ」
——お前のような小僧にそれができるかね。桜乃の意思は固い。おそらく意地でもお前のレスポンスを引き出しにかかるだろうね
白眉の言う通りであった。それからの数日間、真希は事あるごとに達巳に突っかかって来た。その全てを受け流し無視できるほど達巳の精神は成熟しておらず、二人はたびたび口論となった。達巳と真希の不仲は、瞬く間にクラス中の知るところとなった。
「なんか、不思議だな。君らの関係性」
外野から冷静に見ていた沢渡が言った。本日の『バトル』を終えた直後の達巳が、苛立ちを隠さずに噛み付くように問う。
「何が言いてぇ⁈」
「まあ、落ち着けよ。俺はちょっと驚いてるんだ。まさか桜乃さんにあんな苛烈な一面があったなんてね」
一瞬チラリと、観察するような目で達巳を見た後に、手に持った手帳へ目を落とし、沢渡は続ける。
「意外っていうか……桜乃さんってもっとお淑やかというか、静かで大人しいイメージだったよな。幻滅してる奴もいるんじゃないかな。桜乃さんのあんな激しいとこ見せられて……」
「それはお前らの勝手なイメージを桜乃に押し付けてただけだろ⁈それで幻滅だなんて、何様のつもりだよ。お前らは桜乃のことなんも分かってねー。あいつは、もっと凄いやつで……」
「ほら、それ」
パタン、と閉じた手帳で達巳を指しつつ、沢渡は語る。
「桜乃さんもそうだったんだけど、君達は喧嘩してるのに、互いに相手のことを悪く言われると否定するんだ。普通、仲悪い人達って相手の陰口悪口を言うもんだけど、君らは全くそれを言わない。それどころか、裏では互いの良いとこを言い出す始末、とどのつまり、結局君達は……」
一瞬、言葉を探すように黙った後、沢渡は次のように結論づけた。
「……君達がやってるのは、痴話喧嘩だな」
「チワワ喧嘩?そんな愛くるしい戦いはしてねぇよ」
「そんなこと言ってねーわ」
呆れたように一息ついた後、沢渡の口調は少し真面目に変わる。
「ま、あの子が凄いってのは皆分かってるよ。オレだってね。知ってるか?最近芸能事務所のスカウトを自称する人間がこの町に来てるって話だぜ」
「スカウト……?」
達巳は小さく眉を顰めると、少し小声になって沢渡の方へ顔を近づけた。
「……マジか?」
「本当にそういう関係者かどうかは知らないけど、現にそう名乗る奴が来てるのは事実だよ。オレ声かけられたもん」
「は⁈」
沢渡はしーっと言って口元に指を当てた。それからさらに声を小さくして続ける。
「聞かれた内容からして、ありゃ狙いは桜乃さんだね」
「まさかテメェ、桜乃のこと話したんじゃ……」
「そんなことしないよ。よく分からん人に友達の個人情報は話さんって」
そっと胸を撫で下ろす達巳を見て、沢渡はやれやれ、とため息をついた。
「やっちんさ、桜乃さんが遠くに行っちゃう前に仲直りしたら?」
「なんだそれ。良いんだよ別に、ほっとけよ」
視線を下に向ける達巳を、沢渡はまじまじと見つめていた。
「……んだよ」
「いや、別に。でもさ、桜乃さん転校しちゃうらしいよ」
達巳は視線を上げて沢渡を見た。
「桜乃さんのお父さん、元々転勤が多いらしくてさ。また東京に戻ることが決まったとさ。桜乃さん本人から聞いた」
呆然とする達巳に深く言い聞かせるように、沢渡は言う。
「最後に仲直りしたほうが良いんじゃない?」
それから、その日はずっと達巳の意識は宙に浮いているようであった。周囲の物音もほとんど耳に入らずに、虚な目で過ごす。
「谷地くん!」
下校時間に下駄箱の靴を手にした瞬間、呼びかける声が耳に入った。声の出所を見ると、そこには真希が立っていた。
「どうしたの?今日はなんだか静かだったね」
「別に、なんでもねーよ」
「嘘だよね?」
疑いの目で達巳を見ながら、真希は近づいた。
「谷地くんの『なんでもない』はなんでもなく無いんだから。何か嫌なこと、辛いことがあったの?」
すぐ目の前に立ち、達巳を見つめる。綺麗な瞳と目が合い、達巳は咄嗟に視線を逸らした。
「辛いことがあったのなら、話してほしいよ。いつも言ってるでしょ?わたしは谷地くんの助けになりたいって」
「それが余計なお世話っつってんだろ。いつも」
「そんなの、わたしは聞かない」
強気に言って、真希はさらに身を乗り出した。それに押され、達巳は後ずさる。
「教えて!ねえ、谷地くん」
しばし無言となった。その表情から思いを読み取ろうとするかのように達巳の顔を見つめる真希。そんな彼女の前髪に、達巳は触れた。
「なっ……何するの?」
戸惑う真希の前髪を払う。センターパートに分けられたその髪の一部が彼女の目元にかかり、視線を遮った。
「なに……?谷地くん」
「転校するんだって?」
呟くように、達巳は言った。真希は一瞬息を呑み、少し躊躇った後に頷いた。
「……そうか。良かったじゃねーか。こんなクソ田舎よりよっぽどチャンスがある。夢を叶えるチャンスがさ」
「……そうだね」
口元に笑みを浮かべつつもどこか浮かない表情の真希を見て、達巳は小さく舌打ちをした。それが気に障ったのか、真希の目がじとりと睨む。
「……なに、その舌打ち」
「なんでもねーし」
それから靴を手に取り、真希を置いて帰ろうとする達巳の背に、真希は問いかけた。
「転校しても、友達だよね」
一瞬動きを止めた後、靴を置いて履きながら、振り向きもせずに達巳は答える。
「東京行ったらもう会うこともねーだろ」
「でも……」
「お前は将来、きっとすげえ役者になる。テレビに映るお前を見て、「こいつオレの友達なんだぜ」って思えってか?」
その言葉に、真希は眉を顰めた。
「ちょっと、谷地くんのイメージのわたし、天才すぎない?そんなに上手くいくわけないもん」
「お前のそういう卑屈なとこ、嫌いだよ」
靴を履き終わり、立ち去ろうとする達巳に向けて、真希は声を張り上げた。
「今日、わたし、谷地くんの秘密アジトに行くから!」
達巳の足が一瞬止まった。真希はさらに続ける。
「待ってるから!」
達巳は何も答えずに、振り向くこと無く校舎を出た。
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