君を想えばこそ

青谷知希(あおや　ともき)は、いまはそれほど珍しくない片親家庭で育った、三兄弟の長男である。父のことは、名前も顔も覚えていない。

十七歳のある日、突如訪れた人生の終わり。ふとした気の緩みから事故に遭い、息を引き取る。

しかし、気付けば知希は二十三回目の誕生日を迎えていた。事故の記憶はすっぽりと抜け落ちたまま。

いつもと同じ日常を繰り返していたある日、父親という存在に興味を頂いた知希だったが、そんな些細な好奇心が思いもよらぬ冒険に身を投じることとなる。

事故の真相とは。父の存在とは。自らの行動の果てに、知希は何を求めているのか。

父と子、親子の絆を追うファンタジーヒューマンドラマ。