第20話 ラノベの未来へ 報酬編






まずこれからの時代、電子化の流れは止められず、小説は無料から始まる体制だと述べてきた。

そしてそこからの書籍化。


『Webアップ作家が皆 商業作家』と言う時代。


そしてデジタル化ゆえの紙媒体の先細り。日々部数を減らしている。


一方、若者の貧困傾向。もう無駄なお金はかけられない。今や奨学金の利用率は大学生の5割以上と言う。20年前後かけての返済が学生本人負担というパターンも7~8割らしい。そりゃあ無料コンテンツに流れる訳です。


だから若者から順に少しずつラノべに戻りにくい状況になって来た、という事を今まで書いて来ました。


では何も道はないのか。……そうは思いません。

例えば暗礁に乗り上げつつある?『サポーター制度』や、『ギフト』についてをもう少し変えてみてはいかがでしょう。例えば次の様に。




◆ギフトスタンプ

まず読み手はプリペイドでコインなどを買う。1つ30円分のギフトスタンプを、例えば3000円分購入。そのコインでスタンプ100個分仕入れた事になる。


例として1つのギフトスタンプを作品へタップ付与すると30円分が作者に渡るとしましょう。


どのエピソードにも幾つでもスタンプ出来る仕様。

すると、たった2つ位のスタンプで作者にはラノベ1冊売れて入る印税ほどの額になる。非常に感銘を受けた太客なら数冊購入に相当する程のスタンプをくれることも考えられます。


たとえば百話で完結のストーリーの途中で感銘を受けたところで1スタンプ、読了時に1スタンプ、計2スタンプでその本を1冊買ってあげたのと同等の報酬を作者に渡せる。

もし学生が通学の電車内等で4日間くらいで読み終えたとして、その間たった60円分で娯楽として成立。

それにより作家も即、一人の読者から商業作家としての矜持と対価を得る。


―――それ位なら払える。マイナー作にも行き渡る。


しかも紙媒体で本を買う時のコストの1/10程度だ。ならばもっと多くの作品に同時に払うのも可能。

つまり支払いのハードルを思い切り下げる。

皆が『ちょっと払ってもいいかな』という額にする。


スタンプは例によってエモーショナルスタンプとしてのセリフ(コメント)付き。

「良かった」「泣けた」「楽しかった」etc……


想いや感想と共に報酬を渡せる。これは大事。


『ギフト』と称していきなりお金めいたものが渡るのではなく、これは娯楽への感謝としての礼状付きオヒネリだ。


いきなりお金が入るとお返ししたくなってサポーター専用やり取りで何かお返し……となれば作者負担も大き過ぎる。しかし感謝のコメントスタンプに30コイン(30円分)付随して来ただけならお返しなど考えずに済む。


そして運営はここから利益を天引きすると多くの反発を生むので、スタンプの授受それぞれに広告をつけて(閲覧しないと渡せず、受けとれず) そちらで儲けて出来るだけユーザー負担にはしない。

ユーザーも負担にならないなら広告くらいガマンする。

また、よくあるサブスクユーザー特権を持たせて広告を外せる様にしても良い。




◆上記で発行累計部数に代わる称号。

 ~星数価値を霞ませる程の新たな目安。


―――さて、それの応用に入る。


このギフトスタンプによる収集額は与える側の負担を伴ったものなので、『お義理や仕手行為でポンポン与えられる星』とはまるで価値が異なってくる。


その累積値は『実際に本が売れた実績に極めて近いもの』になると思います。


これを累計購入ポイント(名称は誰か良い物を考えて下さい) として作品名に(星と同様に) 併記する事は作品の価値の一端を示すものとなるのです。


今迄は星の数はSNSフォロワ―の多いパワー作家が優位に立つ事が出来たので、作品の善し悪しとの相関性の低いものになっていた面もあり、結局書籍化した時『売れる可能性の高い期待値』の様な位置付けになってしまっていた。


ところがこのギフトスタンプによる累積ポイント評価なら真にヒット作としての実情を示すものだと言える訳です。

エール指数と同様に作品評価に於いて一定の信頼度を持つものになると思います。




次回では上記案等の活用で更なる未来へ向けて展開してみたいと思います。








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(いずれ、皆さんでこうして行きましょうという提案を見逃さないようにして貰えたらという考えです)


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