第28話 お役所に負けるな!





 <オマケ編―2>


はい、今回のタイトル。何が言いたいのでしょう。

そう、勿論カクヨムへのエールです。


そのために少々、横浜中央図書館 (横浜市中央図書館)についてのご紹介から始めましょう。

正確に言えば役所と言うより地方公共団体ですが、そこがカクヨムより先に本著で提言している事をやってしまいましたね。




実は本編やコメント返しでこんな提言をしていました。


・第16話 AIマッチング。読者側として<エール指数>や<エモーショナルスタンプ>を施した作品のデータを運営が収集。そうした読者側の傾向からAIを活用し、好みを判断してオススメに……或いは現在の検索画面に併設してAI検索という画面を……



・第19話のレス 本屋さんを歩いて見て回る様なゲーム性を持たせた『遊覧検索』機能とかをアプリにして「探す楽しさ」を遊び感覚で楽しめる様にもして欲しい


いずれも2024/1/10以前に記載していました。




そしたら横浜市が以下のサービスを1/15より開始との発表。


◆横浜市中央図書館は、1月15日から新しい図書館情報システムを導入


- 蔵書探索AI:思いついた文章や言葉を入力すると、関連する本をAIが紹介します。


- Web書棚:図書館の書棚をWeb上で(背表紙イメージ風に)見ることができます。


・その他、諸々


これらのサービスは、来館せずにスマートフォン等のモバイル端末から操作可能。




という訳で公共団体でさえやってるのだからカクヨムも負けないで欲しい。もうこれは導入出来ない言い訳が全くさせて貰えぬレベル。


それに比べあの『関連小説』というマッチング表示、読みたくなる作品ではなく何故か読んでた作品が表示されてませんか?

既にフォロー済みものを表示して何になるのでしょうか? 本当にナゾな仕様です。


あと、こちらが読んでいたものも相手に表示されてませんか? 友達の友達は皆~のつもりでしょうか。

プライバシー保護の観点からするとこれは問題では?




【警鐘について】

さて、こうした素人の誰もが分かる様な事がなかなか上手く進んで行かない背景には、急激な変化についていけない巨艦的体質というものがあると言えます。


本編の主な流れを纏め直してみます。



  **


現ランキング制度 : 書籍化作の露出度アップのため。このやり方がいずれ自らの首を締め上げる。




まず無料コンテンツの充実、動画社会

  ↓

読書習慣離れ

  ↓

アマ、プロ問わずアップ出来る小説サイトの誕生

  ↓

紙媒体ラノベ売上減少

  ↓

買う人を集めるため大手もWeb小説に本腰

  ↓

ランキングで注目作を誇張。販売導線に注力




出版側も必死です。とにかく百億も減ってる訳で。

売りたい作品の露出度を上げる事ばかりに傾注した



→異様な星の差。格差社会。しかも実質を表さず

→しかし売るために更に星を盛る必要が

→Web向け傾向作の台頭、集中、パクリ横行

→だから一般的な良作をむしろ上位にしたくない


そう、売りたい作品が霞まぬように無料である良作には埋もれて貰っていた方が良い。


―――ここ迄が昨今の流れ。そして結果として




一般層の購入離れ

  ↓

購買は特殊層に集中

  ↓

一般層は無料のものへ。(それで済んでしまう)

  ↓

紙媒体は更に売れなくなる

  ↓

負のスパイラル



一般層では目覚めてる人ほど娯楽的書籍は無料で済ます習慣が醸成されていくという方向性に。



  *



【故にここから成すべき事】

→だからそうした一般層に目を向けた購買スタイルを確立すべき

→流行に乗らなくてもその作者なりの魅力があれば報酬が渡る文化を作る。



つまりこれは小説家というものの見直し。


音楽アーティストの活動様式が根本から変化を余儀なくさせられたのと同様に、今度は小説家にその波が来ている。


どんな職業だって永遠ではない。


明治以降本格的な専業作家が増えていった流れがあった紙媒体の書籍文化。それがWebにより崩壊。

特に無料動画の台頭は若者を中心にTV、CD、小説から遠ざけさせた。


逆に企業も必死だ。そうした動画やSNSからのパーソナライズによるオススメで販売・課金導線をしっかり作って凡ゆる客層へ向けた購入層と販売層のマッチングをキチンと考えてWinーWinの関係を作って来ている。


Web小説だけがその流れから目を背け、TV時代のステマ/マスプロ方式にしがみついていて生き残れると思っていたら間違いなくそこを分かっている新興企業に足元を掬われるでしょう。


そもそもWeb小説そのものとて、個人が発足した△△家に○ろうに全部持って行かれそうになって慌てて大手が後手後手で対応してるんじゃなかったのか。


だから冒頭で述べた様な使い勝手や、軽快な娯楽作だけでなく全分野にパーソナライズされたAIオススメなどを公共団体に後れを取る事なくやるべきなのです。


そして課金しやすいシステム、作家が得られるマトモな報酬と矜持……


人気作家や人気作品なら、よくマンガアプリ等に見られる暫時課金ゲート方式、或いは試し読み方式とでも言える、『ここからは課金』とするのも有りだと思います。(作者本人がその方式を選べて、課金位置の設定も出来る)


それができる作品自体が魅力を有する称号とも成り得ます。

果たして今のトップランク作がそれをやったらどこ迄試し読み閉じされずに済むか……は余談ですが。




ともあれそうした根本的な事にもっと真剣に取り組まないと、下剋上は起こり兼ねず、後発なら尚更に大きくアドバンテージを取って行かねばいつまでも後塵を拝する事に成るのです。


(※ 勿論無理に有料化を推奨する物ではなく、自発的投げ銭方式の範囲に留める事での課金を言っています。)




これは文句でなくエールであると言う事を運営さんには真に分かって欲しい所です。









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