第21話 ギフトスタンプは成り立つのか





前回の内容に対しその有効性をご心配するコメントを頂きました。机上の空論にならない為にもそうした指摘は非常に有り難い事です。


そしてとても多くの方が同意されそうなご意見でしたのでここで取り上げて、その点を皆さんと咀嚼しつつ、回答形式で私見をお伝えしてみたいと思います。

(そのためギフトスタンプの更なる活用編は後日とします)



  **



>現在無料で読める訳で、感想のためにだけに多くの読者が(ギフトスタンプを) 購入するかと言うと疑問です。


→カクヨムの公式の発表では月間利用者数約570万人(23年10月現在)との事。


そもそも無料で呼び込んだゲームやらマンガアプリやらの中で何かに課金するのは全体の1%も無いかも知れません。

だから大半が課金する未来、を申し上げるつもりは毛頭ありません。

ただ、現在の『ギフト』のままでは事態が動かないと思い、その改善策のつもりで申し上げました。

現在のギフトは最低約500円近いサブスクからのスタートで150円(x1回分)のギフトをその月に渡せます。もっとギフトを渡したい人は約150円×回数分の追加購入も出来ます。ここでの問題、実際の利用者がコメント欄でも仰られていましたが、


①ギフトを渡したいのに毎月350円程の基本料を払う

②150円の内、50円は運営費用として天引き

これは利用障壁として大きい。先ずはそこへの梃子入れとして前話の方式を提言しました。


1日にして20万人近い利用者の中で千人に1人が1冊の印税分のギフトを贈ったなら月に5千冊分以上、年で6万冊分にはなります。

これにはギフトを常用する人、特定の時(真に感動した等)だけ利用したい人を合わせるとそれくらいは望めるかと。


もしそうならそれは分散され皆さんの利益機会も今迄より改善されると思われます。




>ユーザーに上手く(コストを)出させるにはそれなりの現実的なメリットがかなり無いと広まらないかと。


→そうですね。ギフトスタンプにLINEのようなデザイン的に魅力を持たせる必要も出てくるかも知れません。あれこそ、『無料スタンプ』があるのにわざわざ購入する人が多いです。

2021年調べではLINEクリエイターズスタンプは1,100万セットを超え、販売総額は1060に達しているそうです。エンタメ性や承認欲求のためだけの出費が、ここで言う印税換算で17億冊以上の消費w。


つまり魅力の持たせ方で(無料で済むのに)わざわざ課金する人のさがと言うのを如実に垣間見れます。


―――ではギフトスタンプはどうでしょう。


そもそも私見では<エール指数>に注力したいところですが、多くの方がコメントを書く自信が無いと仰られています。読み専の方なら尚の事。

そこへ少しでも気持ちと労いを伝えたいと思った時に魅力的なスタンプと共に30円~60円の心付けを贈る。


読んだ全ての作品に、などとは申しません。


文章で伝えるのが苦手な人ならここぞと言う時、こちらを採用する可能性もそれなりにあるのでは、と踏んでいます。




>広告動画を見るとポイントを獲得できるor課金でポイントを買える。使うと何かメリット…が無いかな?と…。


→ それもよく頂く案ですし実際良いと思います。デメリットとしては額が小さい事と、只でさえ広告が付きまとうのに更に広告を見たとして与えてあげられるのは0.1~1円/回という事でしょうか。

でも塵も積もれば山となるので、アリだと思います。


もし一度に印税分程度のギフトを贈る場合を考えると、数十もの広告を見る、もしくは10秒動画を何本か見る事で自己課金を回避出来る訳ですが、人によってはそちらの方が障壁が大きいかも知れません。

だからどちらも選べるのが良いのかも知れません。


実際、現在のカクヨムリワードでは既にPVに応じた作家への報酬制になってますが、パワーユーザーしか恩恵に預かれていないようで、広告料でのオヒネリが(余りにも微々たるもので) もどかしいものだと言う事を示しています。

それへの解決策の一つとしてギフトスタンプはアリかと思うのです。


そしてもう一つ、これは大きいと思っています。


つまり作家さんのプライドの問題。

このまま電子化が進むと作品が増えるほどに『書籍化されて700円』の電子本と『書籍化目前の無料作』がWeb上に無数にあればどちらを選びますか? ほぼレベル差はない。

というより書籍化されるものは前述したように今や特殊層向け。故にいずれどんどん紙媒体で買われなくなる。

結果、『無料の書籍化以前の電子作品』が選ばれる事が常態化された未来。


『いつかは書籍化作家』と、今も夢を無くしたくない作家さんの手記をこのカクヨムでいくつも見かけました。その為にして来た努力。しかし今のニーズからするとそう言う人の作品ほど受賞可能性が無くなった。


そこで真に価値あるものに直接印税分を読者から渡されたらそうした真摯に物書きに拘ってきた方々の矜持は保たれ、報われると思ったのです。

自腹を切らぬオヒネリでその点をケア出来るかは私には分かりません。

だからギフト式を提言しました。




>完全に割りきって払う人だけで良い、そこまでしてくれるのならかなりの推しだから全面に出す、となればコアなユーザーがついた方の作品だけが露出するだけになりそうで、その他の多くの作品はやはり埋もれるかなと言う危惧があります。


→ 本来は小説への報酬はそう言う物かと思います。

書店へ行くと個人的に『こんな本売れるの?』というものも沢山あります。でもコアなファンがついている。

このカクヨムでも読みに行った作品が余りにも……なので鼻白んでいたら、コメント欄では絶賛の嵐。本当に人それぞれだと思います。

捨てる神あれば拾う神あり、だと思うのでそれはそれで良い。


ご心配の「その他の多くの作品はやはり埋もれるか」については、つまりギフトされた総額表示によりギフトがされていない作品への注目度が低下する事の危惧の事を指してると思います。

それへの対策を正にこの第21話でやろうと思っていた訳ですが今回の話を優先したので次話で詳しくやろうと思います。


いずれにせよ上記については『AIマッチングやエール指数等の適切な運用を組み合わせる事で』今迄よりは埋もれる作品は減り、利益機会の再分配は現状よりマシな状況になるかと思います。




勿論、更に良い案があればご紹介させて頂きますので積極的にコメン卜頂けると有り難いです。


この場はそのまま運営さんへの提言書にして行きたいので。






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(いずれ、皆さんでこうして行きましょうという提案を見逃さないようにして貰えたらという考えです)


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