第25話 だから今を精一杯





専門家による予測――――

<20年後、人がやる作業が全てAIに置き換わる>



「将来仕事が無くなる~!」


等と言う声ならよく聞きますが、もしあらゆる生産効率やエネルギー問題がAIによって解決されるなら、ベーシックインカムの様な『働かなくても生きて行ける社会』となって食べる事には困らずに暮らしが楽になる未来も有りましょう。


しかし実際に導入した国等ではその多くの人々は仕事を続けているそうです。生き甲斐や自分の存在意義を見出したいのも有る様です。


しかし今までのベーシックインカムとは状況が異なり、それら全ての仕事もAIがやった方が効率が良くなると……


そうなればもっと稼ぎたい人だけ、ユーチューバーや何らかの作家、パフォーマー、スポーツ選手、芸術家等の様に、何か人を楽しませたりしてクリエイティブな事をして報奨を頂く。

そのオヒネリをプラス出来る人だけが、プラスアルファな生活が可能となる。そんな未来を思い浮かべていました。


しかし生成AIはそうしたクリエイティブな分野まで代わりが出来てしまう……。


そうなったら人にやる事は有るのか。遣り甲斐、果ては生き甲斐までも奪われた世界で。

それはまるで生かされたまま死んでいる様な……。


前回はそうした創作とAIという物にフィーチャーして極論でお伝えしてみました。

あくまでも最悪のシナリオです。(しかし可能性もそこそこ有りそうです)


実際には全て奪われる事は無いにしても、ある程度は未来を言い当てているのではと考えます。


例えば現在はイラストレーターを新規に目指す人は大幅に減ったのではないでしょうか?

同様にこれからはAIが代替すると明確に判明した分野から、専門家を目指す人が激減して行く事が予想されます。



だからこそ今を大切にしましょうと。

―――創作の喜びを味わえる内に。

―――感動をくれた創作へ謝礼を渡せる内に。


数話前に『この極論を話した後でもこの提言に同意頂けないなら私のこれまでのプレゼンは失敗に終る』と、そう申しました。


いかがでしょう。今の内にやれる事をやっておきたい、そう思って貰えたでしょうか。

もし大きな反対意見が無ければ次回行動に移ろうかとも思います。



皆さんの声を反映する為の力を合わせた行動を。



(本当はコンテストのお祭り中なので水を差す様な事に繋がらなければとも思いますが……何とかやりようは有るかと。)





―――――――――――――――――

さて、ここからは明るい方へも目を向けてみます。


その20年後までに出来る事を考えたいと思います

(記載以外にもアイデア募ってますのでコメントお待ちしてます)



AIに主役の座を明け渡すまでの『過渡期の前期』はその進出分野等を避けて私達人間の特性を活かしてやって行く道は有ると思います。



◆AIがやらなさそうなコンテンツについて


別の道を歩む、という考え方です。

AIの歩む道、それは優等生の模範回答。その特性から膨大な選択肢から最良と思われる答えを割り出します。


当然だが、イラストで言えば美人ばかり描く。


美人とはあらゆる顔の平均。人は平均を好む『極端性回避傾向』と言う心理的傾向があるためにそうなります。

味のあるもの、クセになる妙な趣味性、ヘタな絵、何でもいい、好評価を得る最大公約数的なるものから外れた所へ。

そこにだって美や味わいや楽しさは存在し、一部から熱烈な支持を得る。


実際にこのカクヨムでも挿し絵等をまだ手描きで頑張ってる人も居るが概ね熱い支持を得ている。

AIイラストは美しいが美少女だったら殆どが同じ顔だ。若干眉が上がってるか下がってるか、言ってしまえば髪の形と色と服が違う位だ。


だから小説にしても何らかの特異性を『それぞれのジャンルの現在の人気作とは異なる表現や内容』にしつつ、模範回答に縛られざるを得ないAIとの差別化をする事で当面は活路を見出せるのです。






◆現代人はパッシブ脳――――――――


ゲームやマンガの売り上げがラノベほど落ち込まなかったのにはもう一つ、昭和から平成期に『コンテンツへの受け身文化が促進』した事が大きいと思っています。


テレビによって情報を楽に集める習慣を培ってしまった多くの日本人が面倒な『読む』と言う情報収集法を後回しにしたのは誰もが理解する所です。


なら今までに無い活路と言うならそうした受け身型のシステムを取り込んでみたらどうか。但し誤解無い様に言っておく。


―――全ての作品でなくとも良い。


それにより受け身の層が入門編として参入して来る効果もある。

また、よりアートな雰囲気に寄せてマニアックなものにしても世界観をより一層深める事もできる。こちらは『通』向けにも応用出来る。


かの第23回電撃小説大賞受賞作『86—エイティシックス』の作者も、挿し絵で採用されたプロのイラストレーターの作画に舌を巻き、その自らの世界観が圧倒的に深まった事を後書きに寄せていた。

果たしてあの挿し絵が無ければアニメ化まで行っただろうか。



例えば今までの挿し絵の2~5倍のイラスト。1冊に30~60枚とか……。それもプロの手描きイラストレーターのもので出来るだけ場面に即した挿し絵を。

そうすればイラストレーターも活きる。生きていける。


そう、新たなジャンル、ビジュアルラノベ。

(Vラノは使われてたので誰か良きネーミングを!)



そんなのマンガで十分、と思うかも知れない。しかしこの様にも言われている。


【小説文庫本1冊

    ≒ アニメ約1クール

        ≒ コミック本3冊程度】


というざっくりとした目安がある。

(勿論作品によって大幅に異なる)


これからすると小説に比べマンガの読み進みの遅さは意外とまどろっこしい所もある。全部に絵は要らない。コマの殆どがセリフの時もあるのに無理に全てを絵にするから締め切りに合わせて画も粗雑になる。


ならば必要な所だけ力の入った画のある読み物。それなら受け身の人も手を出すようになるかも知れない。『目を見張るような画がある』ノベル。

ファンタジーなどは物によっては言葉だけで表すと説明的過ぎて逆に不自然になる場合もある。だから。



特にAIに主役の座を明け渡すまでの『過渡期の前期』において、こうした『人間による味のある画や文のコラボ』等で現代人にも合ったコンテンツにして、それぞれ先細りする未来を別の形に変える事も出来るかも知れない。


こうした事も第14話で語った所の、

『今迄の流行りとは少し感じの異なる一定の傾向を伴った一群が、別枠の総称で呼ばれ始めた時にその日は近い』

という物に成る可能性もあると思います。


―――ラノベの後継はラノベから生まれる可能性が高い


なんだ、そんなの……と言うものから次世代のものは生まれたりするのです。

そして印刷物ならカラー挿し絵が増えるとコスト問題が有るかも知れないがWebならその心配はない。


カクヨムでは実は文中の挿し絵は可能で、今は『自社出版物にだけ』その表示を可能にしているが(その為あちこちからブーイングが出ている)、これからWebがマーケット主戦場になる上で、『挿し絵の文中の許可』や、より『多くの人が投げ銭をしたくなる』様なシステム上のブラッシュアップは『絶対的に不可欠』と言えます。





<2024/6/5 追記>

上記を実践して見ました。

拙作 『異世界でチート超人になったら人生とり戻せますか? 褒めて貰えますか? ~ダブルジェンダー転生記 』

(全76話で挿絵 が約350以上あり)


こうなるとわざわざタップでリンクを開きながら読むのも大変なので、文中イラストが可能な『なろう』へのリンクを貼っておきます。(第1話へ)

https://ncode.syosetu.com/n4543iv/1/



特に第四章・(=第56話)からラスト76話までの絵だけでも見てみて下さい。

新境地と言えるかと思います。





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(いずれ、皆さんでこうして行きましょうという提案を見逃さないようにして貰えたらという考えです)


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