托卵の旅々〜家出少女ククースの旅物語〜

　様々な土地を巡る旅の物語は数々ありますが、この作品の特徴は、主人公のククースが魔法の帽子の力で、実際に様々な家族の一員となりながら旅を続けることです。
　多様な家庭はそれぞれに、良い面、悪い面、様々な側面を孕んでおり、ククースは旅の中でそれを体験していくわけです。
　もしも違う家族に生まれていたら、と空想したことがある方も多いかと思いますが、そもそも理想の家族とは何かを考えさせられる一作です。
　また、このレビューを書いている時点で本作は連載途中ですが、ククースが旅の果てにたどり着く場所には何があるのか楽しみにしています。

誰かの家族になる。
こんな視点で物語を見たり考えたりしたことなかったので衝撃を受けました。
しかし、考えてみれば似た事はあるのです。
それは、子供のころの友達の家へのお泊り会。言ってしまえば唯一の他人の家族に触れる機会。
あの時の不思議な感じがこの作品では様々な感性から読むことができます。
貴方もこの不思議な感覚を味わってみてください。