第6話

ペットショップに着いて店内に入るとワンちゃん猫ちゃん達がワンワンキャンキャンキャン大騒ぎでした。その中で一匹のダックスの子犬だけが私の顔をジーッと見つめていたんです。

その子がソラでした。

その子はずっと私の顔を見て全然吠えもせずじっと動きませんでした。

店長さんからゲージから出され私に抱かれても動かないし吠えもしません。

私はもうその姿を見た瞬間から「私の子供にする!」と決めました。

でもその当時本当にダックスが流行っていたので、ダックスって高い子で50万とかするはずだったんですよ。なのにこの子はドッグフード、ペットシートなど一式ついてきて10万だったんです。

店長さんに何故なのか聞いてみたら、その子はペットショップで売れ残り5ヶ月過ぎててブリーダーさんに戻されたそうなのです。

でも私から見たら5ヶ月と言っても両手でも小さいくらいの大きさで可愛い女の子です。

ブリーダーさんも戻ってきたこの子の対応に困っていたとの事。

そこへ私の無茶な条件でジャックを飼いたいという希望を聞いた店長さんがこの子を思い出してブリーダーさんに問い合わせてくれたそうなのです。

ブリーダーさんは私の無茶な条件を聞いても引き取ってくれるならとこの子を私にぜひとも引き取ってくれと伝言付きで店長さん経由で私に引き合わせてくれたのです。

私は店長さんとブリーダーさんに感謝しました。

「この子は私の元にたくさんの人達の中から来てくれた!」と本気で思いました。

他の人から見たら売れ残りかもしれません。

でも私から見たらもうウチの子です。

こんな大人しくて可愛い女の子が私の元に来てくれた!

さっそく連れて帰って寮の皆さんに

「今日からウチの子になった紗羅です!」と紹介しました。

そうこの時はソラではなく紗羅だったのです。

ちなみに母には飼う事を言いましたが父には言ってませんでした。言ったら反対されるのが目に見えて分かるからです。

さて自分の部屋に戻ってキャリーバッグからその子を出した途端あれだけ大人しかった子が暴れん坊になりました。部屋中走り回って私によじ登ってやりたい放題…。

あれ?大人しかったはずなのに…。まぁ元気な事は良い事だ!

初対面に近いのに部屋に入ってすぐお腹を見せて甘える姿は天使だ!つーか警戒心無いな…。

そうして私とダックスの子犬の生活が始まりました。

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