第26話
りんにも小さい頃にある構ってくれなきゃ嫌だ時期がやって来ました。構ってくれなきゃイタズラしちゃうぞ!の時期です。
りんのイタズラは凄まじいものでした。歯が生え変わる時期でもあったので歯が痒かったのかなんでも噛んでボロボロにしてしまうのです。オモチャを与えても5分ともちません。ボロボロに破壊する小さな怪獣でした。
すみれさんやソラは大人しい性格だったのでオモチャをボロボロにする事はありませんでしたし、そもそもオモチャで遊ぶ事も無かったのです。ソラがやたらとボールが好きだったくらいですね。すみれさんはオモチャ自体に興味がありませんでした。
それなのにりんはいくらオモチャを与えてもすぐボロボロにして、構ってくれないとありとあらゆるイタズラをするのです。怒ってもダメでした。
怒られるという事は気を引く事が出来ると学んだのです。そういう所は賢いのですよ…。
イタズラをすれば構ってもらえると思ったりんは何でも壊しました。
ぴょんぴょん跳んでテーブルに乗るとテーブルの上にある物は全て下に落としオモチャにします。
ティッシュペーパーなどは無惨なものです。
母はこんなに手がかかり怒っても怒っても言う事を聞かないりんを見てボソッと
「こりゃ確かに飼育放棄されやすい犬種だわ…」
と納得していました。歯も生え変わり始めましたが
姉はお犬様も歯が抜けるとは知らなかったようで
初めてりんの歯が抜けた時また「OK!Google!」とネットで調べてました。
お犬様や猫殿を飼われている方々は分かるかと思いますが、小さい頃の生え変わり時期の歯は本当に鋭くてりんは歯が痒いのと遊んで欲しいのでよく私達の手に噛みついていたのですが…それで怪我人続出でした。ちょっと噛みついて戯れてきただけでも歯で手などが切れて血が大量に出るのです。
そういう私もりんが飛びついて戯れてきた時に手のひらを深くスパッと切ってしまい大量出血したのです。いまでも傷口が跡になってます。多分本当だったら病院に行って縫わなければならなかった程の傷だと思います。
小さな怪獣はやりたい放題でした。躾をしてもやりたくない時は聞こえないフリ。
おいでと言っても来ない…。
あれっ?お犬様っておいでしたら走って来るんじゃなかったの⁉︎
りんにはすみれさん達のやり方が通用しませんでした。もはや未知の生物です。
初めてお犬様を飼った気分でしたね。
すみれさんとソラのやり方が通用しないとなるともはや私達家族は途方に暮れました。
しかし初めてお犬様を飼ったつもりでゼロから根気よく躾をしましたよ。
構って欲しい時期なので、それを利用して躾がちゃんと出来たら思いっきり褒める!!
とにかく何でもちゃんと出来たら褒めまくる!!
小さな怪獣は褒められる事が大好きになりました。
そうやって色々模索しながら根気よく躾をしていきました。そのうち落ち着くだろうからと長い目で見る事にしたのです。
そうして今度はりんの避妊手術について考える時期になりました。すみれさんとソラの時に散々考えさせられたので病院の先生とも良く話し合って
「生理が始まる前にやりましょう。早めにやった方が乳癌などになる確率がかなり低くなりますからね」という事で手術の日程も決めたのです。
それなのに…あともう少して手術の日となった時にりんが初めて生理になったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます