第27話
りんの初めての生理は唐突にやって来ました。もう2、3日後には手術するという最悪なタイミングでやって来ました。
しかし生理になってしまったものは仕方ありません。病院の先生に生理がきてしまった事を伝えると手術は生理が終わってからにしましょうという事になりました。
お犬様の生理期間は約一週間くらいです。すみれさんやソラは母の作った生理用パンツを穿かせていたので、母はりんにも生理用パンツを手作りしました。しかしりんはパンツを激しく嫌がり自分で脱いで振り回すなど穿かせても穿かせても脱いでしまうのです。
あまりにも嫌がるので私達はパンツを穿かせる事を諦めました。こまめに血を拭いてやり床を汚してもすぐに綺麗にして生理が終わるのを待ちました。
しかし一週間過ぎても生理が終わらないのです。
あれっ?お犬様の生理ってもう終わるよね?もうすぐ二週間になるよ?
なんと終わったのは二週間以上かかったのです。しかし生理が終わったからといってすぐには手術出来ません。ホルモンが落ち着かなくては出来ないのです。病院で採血をしてみたらまだまだりんのホルモンは安定していませんでした。
安定するまでの期間はお犬様それぞれですしりんにとって初めての生理だったのでいつホルモンが安定するか分かりません。
ちょこちょこ採血して数値を観察するしかできませんでした。その間先生が「数値が安定してもしばらく待ったら補助金が出るからそれまで手術はしないでおきましょう」と言ってくださり私達はりんのホルモン数値が安定するのを待ちました。
ホルモンが安定するのにも時間がかかりましたが、ようやくりんの手術の日程が決まりました。すみれさんやソラは病気になってから手術したので心配したのですが、りんは病気で手術する訳ではありません。私達は安心していました。
そして手術前日。りんはウキウキと車に乗り込み大好きな病院に行きました。私達は看護師さんにりんを預けて帰り「明日はなるべく早く迎えに来行ってあげようね」とのんびり話していました。
その日の夜病院から「ご飯を食べないのですが…」と電話が掛かってきました。
何事かと心配したのですが看護師さんに
「すいません…。缶詰の美味しそうなドッグフードを与えたら食べると思います…」と伝えたところ後から「りんちゃんはグルメさんなんですね。缶詰だったらすぐに完食しました!」と電話が掛かってきました。
申し訳ありません…。りんは好き嫌いが激しいんです…。
とんだ恥をかきました。りんよ…、病院でも好き嫌いを言っちゃいけません!
それ以外は何事もなく私達は安心して次の日を迎えました。そして家族全員でりんを迎えに行くと
りんは超元気でした。
それはもう手術したとは思えない程超元気いっぱいでした。
しかし先生から「子宮と卵巣に膿が溜まっていたので早く手術して良かったです。そうしないと子宮が破裂するところでした」と爆弾発言されたのです。
えっ⁉︎本人超元気なんですけど、危なかったんですか!?
りんはエリザベスカラーではなく暴れるという事て洋服みたいな全身を覆う包帯姿で我が家に帰って来ました。
りんは安心したのか帰ってからずっと元気がありませんでした。
でも元気が無かったのは夕方まで…。ご飯をモリモリ食べぐっすり寝ました。
次の日からりんは洋服のような包帯姿をして元気に散歩を開始して何事も無く抜糸の日を迎えました。
抜糸をしに行く車の中で、りんは今まで我慢した分を晴らすかのように包帯をビリビリに破き、病院に着く頃には包帯はあって無いようなものになり私達は先生に「暴れて最後の最後で包帯をビリビリにしました…」と言って謝りましたよ。
先生は笑って「ジャックだからねぇ〜!」と抜糸して下さいました。
こうしてりんの避妊手術は無事終わりました。
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