第3話
すみれさん武勇伝
鼻ぺちゃさん特有の「愛嬌」と仕草で近所この方々を虜にして、散歩の際に水をもらう家、おやつをもらう家、疲れたら休憩する家など近所中にすみれさん専用のオアシスを作った。
私が毎日のように忘れ物をするので、母に高校の昼休みに届けてもらう際母と一緒に高校をやって来て
勝手に校舎内に入り、職員室で先生達からお弁当のおかずをもらって食べる。
教室に行き全部のクラスをまわり「来たよ」と挨拶して回る。
それにより全校生徒、先生方から私より知られている。
眠くなったら校長室に行き、高級そうな革張りソファで爆睡。散々探し回って校長室で見つけた時、校長先生はパイプ椅子に座って私に「すみれさんを起こしちゃダメだよ」と小声で言われ孫を見ているような顔をされる。
兄の卒業式に勝手に乱入。
トイレの躾を外でするよう躾けたので、毎回外でするとですが道路のど真ん中でするのでバスなどの車全てを止まらせる。でもみんなすみれさんだからと
ニコニコ笑いながら許す。
などなどすみれさんだからとみんなが許すのをいい事に色々やらかして武勇伝を作りました。
その頃はパグの認知度はほとんど無かったので、近所の方々はパグ🟰すみれさんと思ってテレビにパグが出ると「すみれさんがテレビに出てたね」と言っていました。
そんなすみれさんですがムツゴロウさんの「子猫物語」に出てくるプー助の孫です。
何故プー助の子供がブリーダーさんの家にいたんだ?と不思議に思っていたのですが、後で知ったのですがムツゴロウさんもブリーダーさんなんですね。
プー助とすみれさんは瓜二つなので、興味がある方は「子猫物語」を観てみて下さい。
さてこんなにも近所の方々や私の高校のみんなに愛想を振り撒いていたのにもかかわらずすみれさんは家族以外には懐きませんでした。もらう物もらったらさっさと帰るといういい性格をしていましたね。
触らせもさせませんでした。
我が家に来たばかりの頃は全く吠えないので心配したものです。
足元をちょろちょろして、うっかり踏んでしまっても全く鳴かないんです。
この頃は「この子、耳が聞こえないから吠えないんじゃないか⁉︎」と家族皆んなで心配していましたが
ある時兄の友達が大勢我が家に遊びに来た時にビックリしたのか初めて吠えたんですよ。
その時家族みんなで吠えた事を大喜びして大層褒めたら「吠えたら褒められる」と覚えてしまってあれ以来よく吠えるようになり無駄吠えしないよう躾直した…。ごめんね、すみれさん。
そんなすみれさんが我が家に来てしばらくして酷い皮膚炎になりました。
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