第4話
すみれさんが酷い皮膚炎になりました。
そりゃもう酷いものでしたね。全身赤く爛れ、毛は抜け落ち痒いのか搔くので傷だらけだし…。
急いで病院に連れて行っても原因が分かりませんでした。ある病院では「アレルギーです」と言われて高いドッグフードを買わされたり、またある病院では何の注射か分からない注射をされ悪化したり
またまたある病院では何万もするシャンプーを処方されたり…。
市内にある全ての病院に連れて行ったのですが、悪化すれど良くなりませんでした。
家族全員で頭を抱えましたよ。特に母の落ち込みようは凄かった。
どうしていいのか分かりませんでした。
そんな時すみれさんを飼うキッカケをくれた従姉妹からある市外の病院を紹介されたのです。
ウチから片道3時間ある病院だったのですが、市内の病院全て回ってお手上げだったので藁をも掴む思いで私が連れて行きました。
紹介された病院である受付をすると、市外から長時間かけてやって来たと分かると順番を早めてくれすぐ診察してくださいました。
先生はすみれさんを診てすぐ「こりゃ酷いわ」と言い検査してくださいました。
すると5分後に検査結果が出て
原因はアカラスという先天的寄生虫が起こす皮膚炎でした。元々親からうつったらしいです。
しかも顕微鏡でそのアカラスを見せてくれ
「どう見たってアカラスによる皮膚炎だよ」と教えてくださいました。
私は先生に市内にある動物病院全てを回ったけど原因が分からなかった、こんな薬を処方され酷くなるばかりだったと訴えました。
薬を見た先生は「こりゃ酷くなるはずだわ。アカラスに逆効果の薬ばかりじゃないか!」と激怒されてました。
「君の市内の病院はまともな病院は無いのか⁉︎」とビックリされてましたね。
今まで処方されていた薬や治療はすみれさんの皮膚炎には逆効果だったり意味が無いものばかりでしたよ。挙句には薬とも呼べない物もありました。
先生は「こんなに酷いのは久しぶりに見た。数年前だったら安楽死させる病院もあったくらい酷いよ」
と言うので、私はあまりの事にその場で号泣…。
原因が分かった所でやっと本当の治療が始まりました。日曜日でもいいから週一回アカラスの駆除と皮膚炎の注射を打ちに来るよう言われ、毎週日曜日に私が病院に連れて行きました。
そしたらみるみるうちに良くなるじゃないですか!
まず痒みが無いの掻かなくなり傷だらけだった身体が綺麗になってきました。そして抜けていた毛が生えてくるようになったんです。そしてその病院と院長先生が我が家のすみれさんの主治医になりましたよ。
しかしすみれさんのアカラス皮膚炎を完治させたのは何故か父がもらってきた「マムシ焼酎」でした。
我が家ではマムシ焼酎は万能薬として使っていて、ある時私がふと「マムシ焼酎を塗ったら治るかもね」と呟いたのがキッカケです。
その頃はもうほとんど皮膚炎は良くなっていていて
後もうちょっとっていうくらいでした。
そこで試しにマムシ焼酎を胸塗ってみたら…完治したんです。
ただしマムシ焼酎ってとんでもなく臭いんですよ。
生臭いというか…なんとも言えない臭い匂いがする。…でも効いた。先生とマムシ焼酎に感謝です。
ちなみにふざけた薬や治療をした市内の病院には母と父が「アカラスだった」「あなたの病院が出した薬はアカラスには逆効果だった」とクレームいれてました。アカラス自体を知らない病院もあったようです。
そんな愉快で可愛いすみれさんとも私の高校卒業と県外の専門学校進学によりお別れが来ました。
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