第22話

姉と父のおチビさんが原因の大喧嘩は二日で終わりました。スピード解決です。あまりにも父が弱かった…。

そして姉はおチビさんを連れてお正月を実家で過ごすべく帰って来ました。私は仕事だったので迎えに行けないので両親が迎えに行ったのですが、おチビさんを初めて見た両親は大変ビックリしたそうです。…おチビさんがあまりにも小さかったから。


「まあ〜!こんな小さな子を保健所にやるなんて!」と怒った両親。

そりゃそうだろう。だから私と姉は保健所にやらなかったんだ…。

父に抱っこさせてみると父の胸でスヤスヤ寝てしまったらしいおチビさん。父はもうその姿でこのおチビさんの虜になったそうです。

しかし母は「もしやペットショップで買ったのでは!?」と疑ったのです。おチビさんが丁度ペットショップで売られている頃ぐらいの大きさであまりにも小綺麗だったから。

もらって来た時から可愛らしい女の子のジャックラッセルテリアだったと説明しても納得しない母。

そもそも両親もジャックラッセルテリアって何?という感じだったので、まずは皆んなでジャックラッセルテリアについて調べましょう!とジャックラッセルテリアの本を買いました。読むとジャックラッセルテリアがどれほど飼いづらい犬種か書かれていました。

でも基本的に呑気な家族なので「前に犬を飼ってたから大丈夫でしょ!」という過信があったのです。

そう、私達はジャックラッセルテリアをナメてました。そもそもすみれさんとソラを基準にしていたのです。すみれさんは賢者。ソラはその愛弟子。教える事はすぐ覚える子達でした。


最初は良かったですよ。おチビさんはひたすら眠っていたから…。ご飯を食べたらすぐ寝てしまうくらい小さな子でした。そして見た目も可愛らしい女の子でした。

私達はその後、ジャックラッセルテリアのある意味凄さを知りました。

おチビさんが我が家に来て一週間…。名前は「りん」に決まりました。母が名付け親です。飼い主は姉なのに決定権がありませんでした。しかも「鈴」でも「リン」でもなく平仮名の「りん」です。そこは母のセンスらしいです。直感で「りん」と決めました。もちろん姉も色々名前を考えていたのですが全部却下です。

そしておチビさんはりんになりました。りんは片手サイズしかなかったし来た年は大雪だったのでソラが着ていた洋服を着せました。ちょっとブカブカだったけどモコモコしている服だったので雪だるまみたいで可愛かったです。心底すみれさんとソラの洋服を取っておいて良かったと母と思いました。


りんはよく食べよく遊びよく寝る子でした。まだ2ヶ月。赤ちゃんです。家族皆んなが「可愛い、可愛い」ともてはやしました。


しかしりんはすぐにジャックラッセルテリアの恐ろしさを私達に見せて来ました…。

















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