第11話

すみれさんが我が家にやって来て大きな病気をしたといえばアカラスによる皮膚病くらいなものです。

でも初めて犬を飼う私達家族はすみれさんやソラに子供を持たせる気は無かったとはいえ避妊手術について考えていませんでした。今思えば病気になるのを防げるのならやるべきでした。

すみれさんが我が家に来てソラがウチに来てからしばらくしてすみれさんは子宮逸脱症になりました。

子宮が外に出てくる病気です。

急いでかかりつけの病院に連れて行くと即入院!その日のうちに手術という事になりました。

先生の話では、結構子宮が外に出ているのでちょっと難しい手術になるとの事。

私達家族は大変反省しました。すみれさんに申し訳なくて申し訳なくてたまりませんでした。

すみれさんのかかりつけ病院は動物病院にしては大病院です。しかも主治医は院長先生。アカラスの治療をしてくれた先生です。我が家から片道3時間かかる病院なので姉のアパートに泊まる事になりました。

思い出されるのは病院に残してきたすみれさんの顔…。悲しそうな泣きそうな置いてかないでというような顔です。

この時の記憶はさすがにあります。私にとっても大きな出来事だったからです。

すみれさんを病院に預けてアパートに帰ってもお通夜のような雰囲気の私達家族。心配で心配でたまりませんでした。ソラにいたってはアパートの中をすみれさんが居ないと探し回っていました。

そんなソラの姿にも私達は泣きそうでした。特に母がね。母の落ち込みようは今まで見た事ありません。

夜になっても寝れる訳ないじゃないですか!

ほぼほぼ夜中に近い時間に我慢出来なくなった母が病院に電話しました。

すると今から手術するとの事。

母は今から行きますので付き添わせて下さいと頼みましたが、アッサリ「結構です」とバッサリ電話を切られました…。

呆然とする私達家族。泣きそうな母と私。ずっとすみれさんを探すソラ。イビキをかいて寝てる父。

カオス…。

次の日病院が開く時間を調べて時計と睨めっこです。まだか⁉︎すみれさんは大丈夫か⁉︎手術は上手くあったのか⁉︎

時間が長く感じました。

朝イチですみれさんを迎えに行くとすみれさんはぐったりしていました…。

手術は無事成功した事、抜糸に一週間後に来る事などの説明を聞いた後速攻でアパートに帰りました。

アパートに着いた途端モリモリご飯を食べるすみれさん。

あれっ?さっきまでぐったりしてなかったっけ⁉︎

お腹が空いてただけ⁉︎

ホッとした私達家族とすみれさんが側に居てくれて安心したソラ。

結果的にすみれさんは病気という形で子宮摘出したのですが避妊手術について考えさせられました。

すみれさんが我が家に来てすぐ避妊手術していたら防げた病気です。

皆さん、避妊手術についてもう一度考えてみて下さい。

我が家のヤキモキした出来事の一つでした。

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