メガトン開基

　黒縁の大きな眼鏡を掛けたやせっぽちの子豚さんのような雅子は、黒髪をお高祖頭巾のようにして、まずいと思い込んでいる顔を必死に隠そうとする（拙著「メガトン開眼」参照　カクヨム）。
　雅子の愛称『メガトン』は、『メガネ豚』の略称だ。
　退学を免れ何とか大学２年生に進級できたメガトンの最初の講義の直後だ。
　思わず右手で胸を抑えた色白のメガトンの顔が真っ赤に燃えた。
「メガトン先輩、ちょっとは膨れた？」
　と、明るい大声がメガトンの背中から飛んだのだ。
　オランダ坂女子高等学校バドミントン部の１年後輩の『クォータ』が、ぱっちりした眼で呼びかけたのだ。すらりとした長身だ。
　スラックス姿で日本人離れしたくびれたウェストと魅力的なヒップを無意識に強調して歩くクォーターは、天然パーマのショートヘアだ。髪…続きを読む