第26話 Singer《歌手》
あの事件以降、私と
元超人気アイドルの
生き生きとした女子高生生活を送っている様子が、Lineから伝わって来る。
二度とやって来ない女子高生を、
アイドルを辞めた後も、ボイストレーニングや歌のレッスンなどは欠かしていないらしい。
大学進学へ向けて、受験勉強にも
「
大学の門の前で撮ったらしい記念写真が、Lineに送られてきた。
友達と一緒に自撮りした写真には、嬉しそうな笑顔を浮かべている
可愛いスタンプの後、メッセージが続いた。
『志望校、合格したよ! あのね、あたし、大学生になったら、芸能界に復帰するつもり。もちろん、アイドルじゃなくて歌手としてね』
「合格おめでとう! ついに、夢を叶えるんだね。私はこれからもずっと、
『ありがとう、
その後、
声だけで気付くって、ガチファンってスゴい。
アイドルの頃と比べたら人気は落ちたものの、
作られた女王様アイドルではない、自然体の香織ちゃんに
今後も、みんなから愛される歌手として
ある日、鈴木
『やぁ、田中君。久し振り。君の活躍は、いつも興味深く観察させているよ』
「どうも、ご
タロちゃんに
この機に、ずっと聞こうと思って聞きそびれていたことを聞いてみることにした。
私は黒いメモリーカードを取り出して、鈴木
「ずっと気になっていたのですが、この黒のメモリーカードには何のデータが入っているんですか?」
『ああ、このメモリーカードは……、はて? なんだったかな?」
黒いメモリーカードを見ると、鈴木
「『なんだったかな?』じゃないですよ。このメモリーカードも、鈴木
『もちろん、これは私が作ったものだ。確か……、何かの試作品だったはずなんだが。それがなんだったか、思い出せん』
「えぇ~……?」
『もし、“加藤太郎君”に
「あ、はい。お願いします」
そう言って、鈴木
その後、鈴木准教授からは、何の連絡もない。
いったい、あのメモリーカードには何が入っていたのか。
結局、黒いメモリーカードは
相棒のロボット刑事にフォールインラブしたけど、相手は無機物だから永遠にアウトオブ眼中だよねって話。 橋元 宏平 @Kouhei-K
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