第18話 Personal protection《身辺警護》
「あっ、いけない! 充電しなきゃっ!」
以前、「ロボット工学研究室」の吉田さんからもらった、バッテリーがトランクに積んである。
見よう見まねで、ケーブルでバッテリーとタロちゃんを
バッテリーを
『現在、スリープモードです。これより、充電を開始します。充電完了まであと7時間です』
無事、充電開始されたのを確認してひと息。
もう一度、自分の顔を確認すると、顔色は大分元通りになっていた。
充電中のタロちゃんを車内に残し、
ややあって、
「おはようございます、刑事さん」
「どうも、お早うございます。何か、変わったことはありませんでしたか?」
刑事らしく
「いえ、特には何もありませんでしたよ」
「それは、良かったです」
「そういえば、刑事さんは、朝ご飯は食べられました?」
「あはは、実はまだ……」
苦笑して正直に答えると、
「でしたら、ご一緒にどうぞ。大したものは、お出し出来ませんけど」
「え? よろしいんですか? じゃあ、失礼してごちそうになります」
お言葉に甘えて家に上がらせてもらい、ダイニングキッチンのテーブルへ着く。
私ひとりだと気付いた
「あら? もうひとりの刑事さんは、どうなさいました?」
「ああ、彼なら徹夜明けで車で
そもそも、タロちゃんは物を食べられない。
機械だから、電力だけがエネルギー。
「そうですか。ではすぐご用意しますから、少々お待ち下さいな」
「ありがとうございます」
朝食が出来るまでの間、スマホを確認する。
刑事課の同僚達から、“おはよう”のLineスタンプが送られてきていた。
私も、お気に入りのスタンプで送信しておいた。
同僚達は私がこうしている間にも、別の事件を追っていることだろう。
いつも日本のどこかで犯罪が起こり、警察は
私は聞き込み捜査とは違う任務が回されて、どうにも慣れない。
ちなみに、今回の私は
芸能事務所や撮影スタジオには、
爆発物の
真っ先に周辺の
間違っても、ドラマみたいに自分で爆発物を
「お待たせしました。簡単なものですけど、お召し上がり下さい」
あれこれ考えていると、目の前に美味しそうな食事が
トースト、目玉焼き、キュウリとレタスとトマトのサラダ、コーンクリームスープ。
これぞ、「モーニングセット」って感じ。
こういうので良いんだよ、こういうので。
「わぁ、美味しそうですね。頂きま~す」
実家にいた頃は、お母ちゃんに作ってもらえるのが、当たり前だった。
ひとり暮らしを始めてから、「作ってもらえるありがたみ」を知った。
別に、
「自分の為に作ってもらえること」が、
温かくて美味しい朝食を、ありがたく
私が食べ終わったところで、
「お母さん、アタシもご飯ちょうだい」
「はいはい」
「アンタ、学校
「着いて行きますけど、学業の邪魔はしないように、学校内には入りません。学校の皆さん達にはなるべく気付かれないように、
「そう。なら良いよ」
反対されるかと思いきや、すんなり受け入れてもらえた。
昨日と比べると、ずいぶんと素直になった。
いったい、どんな
昨日の父親の説得が、効いたのか。
何があったにせよ、受け入れてもらえるのはありがたい。
信用してもらえないと、守れない。
友達にはアイドルであることは隠していて、「バイトしている」と言い訳しているとか。
その為、
私とタロちゃんも、近場の駐車場をお借りして張り込むことになった。
芸能事務所で聞き込みを
警察にも
別の任務に
上からの指示で、
芸能関係者以外で、
警備員達も、
ファンの警備員、可哀想。
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