16 ねこのすいぞくかん

 そうたくんはマタタビタウンにやってきました。なにをして遊ぼうかな、と街を見渡します。

 ぴのくんがてってってと駆け寄ってきました。ぴのくんはなにかチケットのようなものを握りしめています。

「水族館のチケット、たまたまもらったんだ! 3人で行こうよ!」

 それは素敵な提案です。そうたくんは向こうで待っていたふくくんとも合流して、水族館に向かいました。


 入り口がすでにひんやりと涼しいです。入ってすぐは「熱帯の海」の看板があり、色とりどりの魚がきらきらと輝いています。

「きれいだねえ」

 そうたくんはおもわずそう言って魚を眺めました。ふくくんは解説を見ながら、どれがどの魚なのか見ています。ぴのくんは魚をとろうとぴょんぴょんしていますが当然取れません。でも取れないのに楽しそうです。

 次の部屋に進むと、「寒い海」の部屋でした。なにやらおっかない顔をした「オオカミウオ」という魚が3人を睨んでいます。怖かったので、そそくさと逃げ出しました。

 その次の部屋は「海の真ん中」と書いてありました。大きな、いや途方もなく大きな水槽があって、マグロやサメやイワシが泳いでいます。3人は「すごーい」と声を上げました。

「あのイワシ、サメに食べられないかな」

 ふくくんが心配します。

「マグロってでっかいんだねえ。ぼく缶詰しか見たことないや」

 ぴのくんがしみじみ言います。

「マグロ、おいしそう……」

 そうたくんはお腹がちょっと空いていました。二人も、「あのイワシお刺身にして食べたいね」とか、「マグロの目玉っておいしいらしいよ」とかそういうことを話しています。


 さらに進むと川の魚のコーナーに出ました。

 ピラニアがたくさん泳いでいます。さすがにピラルクーはいないようです。珍しい川の熱帯魚がたくさんいて、とても面白いです。

「お魚ってこんなにきれいなんだね。缶詰のやつしか知らなかった」と、ふくくんがしみじみと言います。ぴのくんも、キラキラした熱帯魚を楽しそうに見ています。

 ぜんぶ見て回って、最後の部屋は「さわってみよう」という部屋でした。ウニやヒトデがいっぱいいます。そうたくんは恐る恐るウニのトゲを肉球でつついてみました。ちくっとします。

 ヒトデも不思議な手触りです。ふくくんはナマコを夢中でつついています。ぴのくんはウミウシをしみじみと見ています。

 水族館を出ました。3人はとても満足していました。

 水族館の外はうだるような暑さでした。近くにニャウンティーンアイスの自販機がありました。3人はアイスを買って、ベンチでそれを食べてから、またねと別れて人間のお家に戻りました。

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