17 ねこのかでんりょうはんてん

 そうたくんはマタタビタウンにやってきました。きょうはなにをして遊ぼうかな。そう思ったら足取りがウキウキします。

 ふと、電器屋さんが目に入りました。なんと、ニャンテンドースイッチの試遊台があります。そうたくんは思わずふらふらと電器屋さんに入っていきました。

 電器屋さんは大きな店舗にたくさんの家電製品を並べていました。その中を歩いて、そうたくんはニャンテンドースイッチの試遊台に向かいました。

 たくさんの子猫が群がって、それいま攻撃だ、とか、それ防御だ、とか、そんなことを言っています。やっているゲームは「モンスターニャンター」のようです。ドラゴンを攻撃すると血糊が飛びます。グラフィックがすごく綺麗なので迫力があって怖いです。そうたくんはそっと試遊台から離れました。

「あれ、そうたくんも電器屋さんにきたの?」

 ぴのくんがいました。

「うん、ニャンテンドースイッチの試遊台があったから……でもぼく、モンスターニャンターは怖くてできないよ」

「ぼくもだ。あんなおっかないゲームできない」

 ふくくんもいました。

「だからお店のなかを探検しようと思って。そうたくんもおいでよ」

「うん!」

 3人は電器屋さんのなかを探検してみることにしました。

 スマートフォンのコーナーがあります。たくさんのピカピカのスマートフォンや、おしゃれなカバーが売られています。3人はしばらく、タブレットに映し出された動く熱帯魚を眺めてから、違う違う、とパソコンの売り場に向かいました。

 パソコンの売り場は閑散としていました。そうたくんはお家で人間の使っているパソコンを邪魔して遊ぶのが好きだ、と言いました。2人も同じ意見のようです。

 どうやら、いまどき電器屋さんに来てパソコンを買うひとはそんなにいないようです。インターネットってすごいんだなあ。そうたくんは感心しました。

 電子ピアノのコーナーもありました。鍵盤をぽんと叩くと大きな音がして、みんなびっくりしました。

 テレビのコーナーで、またテレビに映っている鳥をしばらく眺めました。思わずテレビの裏を覗き込みましたが、鳥はいませんでした。

 さらに歩いて、洗濯機や掃除機のコーナーにきました。「音がしない!」とか「怖くない!」とか書いてあります。でもなんとなく怖いです。

 冷蔵庫は売り物なので中には何も入っていないようです。ミシンはどういう人、いや猫が使うのでしょうか。

 ストーブがありましたが、まだ季節外れです。エアコンは寒いから嫌いです。

 これで電器屋さんを一周しました。そうたくんはたくさん珍しいものを見たなあ、と思いました。

 試遊台に戻ってくると、ソフト交換の時間でした。「モンスターニャンター」から「ころがれ 猫ちゃんの森」にソフトを換えたようです。3人はしばらく「ころがれ 猫ちゃんの森」で遊んでから、電器屋さんを出ました。


「ゲームも面白いけど、将棋崩しが楽しいよ」

 そうたくんはそう言いました。2人も頷きました。

 3人は将棋崩しをして遊びました。それから人間のお家に帰りました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る