第23話 手掛かり探し
-side アラン-
「ところで、次の四天王はどんなのか知ってるか?」
俺はポータに聞く。サポーターキャラなら何か知っていると思ったためだ。
「わからないワン。俺が知っているのは、魔王の場所だけだワン。」
「へー。どこなの?」
「デビルマウンテンだワン。魔王率いる悪の組織が、この山の中にいることはあまりにも有名な話だワン。」
やはり、悪の組織は居場所を隠せてなかったらしい。
「その名前…、敵は隠す気あるのか?」
「わからないワン。有力な説ではそれだけ魔王には自信があるとも言われているワン。」
都市伝説なんてこんなものである。
「そうか。やはりまだまだ実力不足なようだ。」
「そうだワン。いざとなったら、必殺技を使うことも覚悟しといた方がいいワン。」
「う…どんな恥ずかしい言葉を言わされるかわからないから嫌なんだよな。」
「そんなことも言ってられないワン」
「はー。あ、じゃあさ、話は変わるけど、アヤシイ侯爵とハンニン男爵については?
多分だけど、四天王に通じる何かがあるよな?」
「わからないワン。ただ、奴らのことを考えると妙に胸騒ぎがすると言うか、頭が痛くなるワン。」
おそらく、昔ポータと何かあったのだろう。
そして、これは何かフラグに違いない。
ポータの昔の記憶を辿ると、四天王にたどり着くと言うわけだ。
「わかった。昔のことを思い出したら言ってくれ。」
よしよし、順調だな。
「え?もう思い出してるワン。」
「へ?」
「俺に呪いをかけたのは、ハンニン男爵だワン。20年前、俺は精霊だったワン。
だけど、ハンニンの奴、実は四天王の手下だったワン。
それを突き止めた俺は“呪った理由は自粛します”という呪いに…」
「待て待て待て…」
いや、ポータ勝手に自己解決してるとか、有能すぎだろ。
あとなんだそのもふもふ要素が欲しいから、適当に呪っときましたみたいな、ふざけた呪いの名前は。
「へ?あ、もう20年も犬やってるから、慣れたワン。この仕事も楽しいワン。全く嫌じゃないワン。」
ブラック企業に勤続5年。
今ではすっかり、この企業に慣れ、仕事も楽しいですみたいな社畜の雰囲気出すのやめなさい。
いや、あながち間違ってないんだろうけど。
「まあ、とりあえず、ハンニン男爵について調べてなかったらいけないな。」
「お呼びかい?」
後ろから突然ウィリアムが現れた。
俺にバレずに気配を消して近づいたようだ。
こいつも相当ステータスが上がったようだな。
「って、うわ!?お前ハンニン男爵じゃないだろ。お呼びじゃないからあっちいけ。」
「やだなあ。ハンニン男爵について教えてあげようと思ったのに。」
「本当か?どんな?」
「あいつの苦手な食べ物、勉強科目、匂いなどの弱点をまとめたものだ。」
「なんだその一見役に立ちそうで、役に立たなさそうな弱点は。やっぱお前コロ…」
「まあ、待つワン。王子ならハンニン男爵がどこにいるかくらいの情報は伝えられている筈だワン。」
確かに。抹殺するのにはまだ早いか。
「ああ。それなら、ここの山のどこかにいる筈だよ。ハンニン男爵はここ王家の山にある王族の職場で働いているからね。」
((なぜそれを先に言わなかった。やっぱり今すぐブッコロ)ワン)
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