第35話 vs博士
-side アラン-
さて、なぜかわからないがあの後、急速に時間の流れが速く感じ、気づいたら優勝してしまった。
そして、ついに感はあまりないが、四天王だったダークド博士と戦うことになった。
「ほっほっほ。ここまでよくきたのう。手加減はせんぞ〜。」
なんだが、このお爺さん。
全く、緊張感が無いので四天王感ないんだよな。
…いや、これで3人目だが、みんな四天王感はなかったか。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「それでは、両者位置についたことを確認!
バトル開始です!」
とそんなことを思っていると、試合が開始しそうだ。
そーいえば、これ勝ったらどうなんだ?
…まあ、なんとかなるか。
「ポータ。頼むぞ。」
「もちろんだワン!」
「ほっほっほ。なかなか良い従魔じゃな。
では、ワシも。
いけ!邪神のかけら!」
Ooooooo!!!
「は?」
「バトル、開始!」
「ほっほ。かかってくるのじゃぞ〜。」
「それ以前に邪神のかけらってなんだよ。邪神のかけらって。」
ばり強そうじゃねえか。
「ああ。それはじゃな…。はて?なんじゃっけ?」
「おい。こんなところでボケ老人感出したら本当にわけわかんねえじゃねえか。」
「むむ…。しかしじゃな。本当に思い出せんのじゃ…。待てよ。ふーむ。」
「はあ…。すきありだ。ポータいけ!」
「分かったワン!」
ポータが勢いよく口からブレスを履く。
可愛いワンコから、ドラゴンブレスのような青い炎が出るのはシュールだな。
Oooooo?
「き…効いてないワン!?」
「お…、おお!なんかここにきて初めてバトルもののゲーム要素始まったぞ!」
「斜め上のテンションの上がり方しているところ悪いワン。
乙女ゲーにそんなの求めてるのはあんまりいないワン。」
いやそれが、なぜかわからないが、攻略者たちは結構何かと戦ってるんだ。
アイドルものとかだと、特に権力組織とか、社会の闇とかと。
「そ、それは大変だワン。この世界が平和な世界でよかったワン。」
「本当にな。」
「……。ふーむ!お、そうじゃったぞ!
確か、邪神様に頼まれてのう。デビルなんちゃらに主人公達を連れてくれっと。
その際に貰ったんじゃった。」
そういえば、忘れていたが、このお爺さんになんで邪神のかけら持っているか聞いていたんだった。
「しかし、ん…?なんか今すごい重要なこと爺さんが言っていたような?
気のせいだろうか。」
「多分気のせいではないけど、今は戦いに集中するワン。」
「ああ。そうだな。しかし…こんな強い従魔。どうするんだ。
正直、倒す方法が思い浮かばないな。」
「そんなの簡単だワン。
アラン。お前が倒すワン。」
「へ?」
「いいワン?このバトルは、最初にバトルのルールの説明を行っていないワン。
つまり、何やっても自由ワン。」
「は?それを、言ったらもはやなんでもありだろ。ん…待てよ?
……!!もしかして、そういうことか?」
「そうだワン!
従魔バトルは、元々奴隷同士が行っていたバトルを、死者が出るのを防ぐため、従魔に代理を任せたバトルがもとだワン。
そして、ダークド博士はそれを楽しんでいた人だワン。
その人が、ルールを事前に言わなかったのはそういうことだワン。
多分…。」
「おい。途中まで謎の理論で説得力結構あったが、最後の多分で台無しだよ。」
「それについては、仕方がないワン。アラン。一思いにやってしまうワン。」
「……。わかった。
では行くぞ。“終焉の業火”。」
「へっ…!?まつのじゃ!
従魔バトルで人間が魔法を放つのは、この国の規制により明確に禁じられていたはずじゃ…が、がああああ…!!」
Ooooooo…!!
「へ…!?まじかよ?それ先にいえって!
あ、やっちまった…。これじゃ、完全にルール違反じゃねえか…。」
「わ、忘れてたワン。ごめんだワン。」
「いや、別にいいが。
それより、経験値は入っているようだな。
この感じ。ピエロを倒した時とよく似ている。たしかに四天王を倒したようだ。」
「よかったワン。だったら、何はともあれ一件落着だワン。国王もおそらく許してくれるはずだワン。」
「そ…そうだよな。ルールを破ったとはいえ、観客の反応もそこまで悪いものではなかったしな。」
「そうだワン。あんまり考えても仕方ないから気分転換に他の出し物も見るワン!」
今気づいたが、モブ男くんが仕切っているキャラクター総選挙がそろそろ始める時間らしい。
「ああ…とりあえず、学園祭はまだまだ続いているみたいだ色々まわってみるか。」
そんな時、いきなり地面がひかり、謎の魔法陣が俺の下に現れた。
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3章完結。
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