第28話 堕天使ヤンキー

注)百合要素

-side アラン-




「では、エンジェル=ハイド君の席はアラン君の隣ね。」


「え?確か隣の席にはエミリーが…、って、いない?」



 エミリーを探すとエミリーが女子生徒に囲まれていた。


「エミリー様!今日の放課後お茶会でもどうですの?」


「ずるいっ。抜け駆けはずるいですわっ。

 エミリー様、今日は私の家にお泊まりする約束でしたわよね。」


「レディー達にそこまで言われるなんて、光栄ですわ。(顎クイッ)」


 キャッキャ…。ウフフ…。


 そうだった。あの人、四天王を倒して以降英雄になっていたんだった。


 そして、なぜか俺の目の前に、新しい扉が開きかかっているのが見える。

 無意識に俺はドアノブに手をかけた。


「アラン。その扉を開くと後戻りできないワン。戻ってくるワン!」


「はっ。俺は何を。」



 気を取り直した俺は、田舎のヤンキーが隣の席とか不安でしかないが、仕方ないと受け入れる事にした。


「はあ。わかった。」


「はい。では、エンジェル君もアラン様の隣に座って。」


「ウィーッス。ウィーッス。オッケーッス」


 棒読みでヤンキー返事をするエンジェル君。天使のような見た目が台無しである。



「えっと、よろしくな。俺はアランだ。」


 エンジェルは俺のことをじっくり値踏みする様に見てから一言。


「うーん。見た目良し、家柄良し、オーラ無し。身なり普通。70点。」


 おい。初対面時のホストかキャバ嬢の接客ムーブやめい。



「え、えっと。エンジェル君?」


「あ、ああ。わりぃ。つい本能的にな。」


 そんな本能あってたまるか。



「へー…。そ、そうなんだ。」


 なんとか返事をする。


「ところで、これから授業なんだよな。なんの授業だ?」


「それは先生がこれから発表するはずだけど。」


 そう言ってパシリッツ先生の方を見る。


 おそらく、担任のカイル先生の代わりに来たのには“深い理由”があるはずだ。



「今回、皆さんに行っていただく授業は学園祭でございます。

 そして、学園祭の担当行事を任されたのが、この私パシリッツです。

 掃除、ゴミ捨て、雑用などなんでもできるエキスパートだからとカイル先生に任されました。」


「許してくれ。このゲームに深い理由を求めた俺が馬鹿だった。」


「俺も騙されてしまったワン。」


 カイル先生。学園祭とかめんどくさい授業、絶対やりたくねえって思って逃げただけだな。

 パシリッツ先生は上手く転がされて、代わりに担当すると言うところだろうか。



「お、おい。それお前、騙されてるんじゃねえの?その胡散臭いカイルとか言う野郎に。」


 エンジェルもそう思ったみたいで、口悪くも実は優しい田舎のヤンキーのイメージ通りに、お節介発言する。



「え?カイル先生が僕を騙すですって。流石にしませんよ。いい人ですし。」


 だめだこれ。パシリッツ先生詐欺師に引っかかりまくるタイプの人だ。



「ふーん。お前がそう思うんなら、そうなんだろけどよ。お前の中では。」


 この人に説得しても無駄だと思ったのか、急に名台詞言ってこの話をなかった事にしようとしたエンジェル。


「ええ。私の中ではそうです。」


「開き直ったワン!?」


 その言葉すら真に受け、開き直ったパシリッツ先生だった。



「それでは学園祭の出し物を決めたいと思います。」




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