第10話 学宅に到着。
-side アラン-
「ふー。やっと終わったな。」
ノア「うん。なんというか、みんなすごかったね。」
そう、なぜかこの顔合わせは単に名前と一言何かをいう自己紹介ではなく、
決め台詞、好きな食べもの、異性のタイプ、血液型、特技などなど…根掘り葉掘り聞くタイプの自己紹介だったのだ。
なぜかアーロンがどこからともなくバイオリンを出して弾いたり、
モブ男くんが聞いてもいないのに、実家でお米を栽培するときの苦労談などを長々永遠と話していたり、ぶっ飛んでいて精神的ダメージがデカかったのだ。
俺も決め台詞を言わざるを得なかった。
「俺に逆らう者は親でも殺す。ズガタカ。」
というどこかの少年スポーツ漫画で聞いたようなセリフが急に頭の中に思い浮かんだため、無理やり言わされたのだ。
え、俺のキャラってもしかして元々そういう帝王系の設定だったの?
と思ったが、もはやキャラ設定をガン無視して行動しているので、考えるのをやめにした。
無事、顔合わせイベントを乗り越えることができた俺らは、今学宅に向かっている。
社宅の学生版のような感じだ。家賃は授業料に含まれている。
「あれか。」
そこには、屋敷があった。よく見ると、入り口が沢山ある。
ノア「全部で5部屋だっけ?」
「ああ。確かそうだな。」
そう、5部屋。今俺は攻略キャラABCといるので、一部屋余っている。
ヒロインにトラブル起こって、一つ屋根の下でここにみんなで暮らすというのが本来のストーリーだった筈だ。
ヒロインが死んだのだから誰か他の人に割り振ればいいと思うのだが、これまた仕様上ヒロインしか入れないように謎の結界があるらしい。やはりヒロイン最強である。
ウィ「とりあえず、部屋割りはもう決まっているし、それぞれの家の中に入ろうか。」
「ああ。」
俺の家は、一階中央のエドワードの家の右隣である。家の中に入る。
「おお。」
趣味がよくて綺麗な部屋だった。
備え付けの調度品は高そうではあるが、華美すぎず落ち着いた雰囲気を醸し出している。
魔法で動く冷蔵庫、洗濯機、シャワーなどの日常生活に欠かせない魔道具も揃っており、快適そうである。
一通り家を見て回ったが、特に不審な点などなかった。
その日は疲れていたので、狩りにも出ず、部屋でゆっくり体を落ち着かせ、休むことにした。ベッドもふかふかであったため一瞬で眠りにつく。
???「ワンワン」(こいつがアランなのかワン。なかなか、面白そうだワン。)
家の中に不法侵入している奴がいるとも知らずに。乙女ゲームの仕様怖すぎる。
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