2章(2匹目の四天王)

第19話 戦い後

-side アラン-




 案の定、四天王の1人ピエロを倒して地上に戻った後、大騒ぎになった。

 国が大々的に公表したためだ。


 まあ、一応ウィリアムだけでなく、俺にも王位継承権があるからな。

 国が英雄扱いするのにもってこいというわけだ。


「王になれって言われたらこの国ごと東京湾に沈めるが。」


「俺とやることあんまり変わらないワン。」



 ポータのツッコミを華麗にスルーした俺は、王からなんとか賞をもらうために王城に来ている。


「四天王倒してよかったで賞だワン。

 ちゃんと覚えてろだワン。絶対こんな奴、王にするなんて嫌だワン。

 王子がウィリアムでよかったワン。」



「もはや、なんとか賞と言ってもいいレベルでどうでもいい名前だと思う。」


「それは否定しないワン。」



 そんなこんなで俺たちは、国王に謁見する場所に着いた。



 ウィ「主役のご登場かい?」


 ウィリアムがそう言う。

 いや、どう考えてもキラキラ度的に勝てないんですけど…。


「なかなかだね」「かっこいいぞ」


 ノアとリチャードもそう言った。

 こちらもなかなかのキラキラ度だ。



「全員揃ったな。」


 声のする方を見ると王様がいた。

 ウィリアムの親だけあって、ダンディなおじさんである。

 雰囲気的に国王も攻略キャラな気がする。

 今更ながらに運営はとんでもないゲームを作り出してしまったんだと実感する。


 横には、モブでーすという感じのお偉いさんたちがずらりと並んでいる。

 ん…?なんかあそこの隅っこにいる人モブ男くんに似てないか?あ…こっち見た。



 媚を売りたいと言う目線がほとんどだが、中には苦虫を噛み潰したような目をしているやつもいる。

 もしや、あいつらが今世の俺の両親を殺したのに手を加えているのか、と思わなくはない。後で色々調べてみるか。



「おっほん。この度、我が息子ウィリアムと、甥のアラン。

 そして、次期伯爵家当主のノアとリチャードが四天王の1人を倒した。

 よって、四天王倒してよかったで賞を与える。前へ。」


 威厳ある声色で国王がいう。


 パチパチパチパチ…

 偉い人たちが一斉に拍手をした。



 国王の元に行くと、謎の名前の勲章が俺らに授与される。

 あとはうんたらかんたら、長々と話が続いてただけだった。



 その後、今は自室でポータと寝ている。


「しっかり話を聞くワン。領地とお金を渡すと言ってたワン。」


「ふーん。まあ、俺には特に興味ないし。」


「なにを言ってるワン。与えられた領地には、ダンジョンがあるワン。」


「お!まじか。どこの領地だ。」


「自分で調べるワン。」


 そう言って、呆れたポータは部屋を出て行こうとする。

 まあ、出ていったところで、迷子扱いされるだけなのだが。



「痛いところつくでないワン。」


 気にしてたのか。



 その時だった。誰かが部屋をノックした。


「はーい。」


「失礼。少しいいかね。」



 少しいいかねという言葉の返事を聞かずに国王が入ってきた。暇なのかな?


「絶対違うワン」





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