第22話 お金

亜希に、引っ越しを手伝ってもらい、荷物もそんなに多くなく、1日で何とか終えることが出来た。転居してみるとエアコンは古く、リモコンがなかった。そして、洗濯機の蛇口も丸裸なままだった。亜希が、「これだと、洗濯機を配送してもらった時に取り付け出来ないから、不動産屋に言わないとダメだね〜。エアコンは、うちの予備のリモコンあげても良いけど」と言い、エアコンのリモコンを取りに戻ってくれた。試してみるとエアコン自体は動いたが、風は吹いてるという感じだけでエアコンの機能はしていなかった。多恵は、「全部不動産屋に話してみる」と電話をすると業者を寄越すという事だった。数日経ち業者が確認の為に来て、蛇口は使える様に取り付けて行ってくれた。また、エアコンに関しては、「これは修理は無理だから、新しいのにしないとダメだね」と言い大家に直接連絡してくれ、新しいものに取り替えてくれるという事だった。

多恵は、一安心した。家の家具、家電などは亜希が安いお店に連れて行ってくれて、お金も少し負担をしてくれた。

亜希は、「引っ越し祝いね」と言い少しと言いながらも結構な額を負担してくれていた。

多恵は、「えっ?良いの?」と言いながらも遠慮する事なく亜希の好意を受けた。

亜希は、ある時、職場の仲良くしていたおばちゃんに、「多恵にあんまり色々してちゃダメだよ!あの人うわべは、良い人そうだけど、あーいう人だから」と言われた。亜希は、あーいう人という部分が良くわからなかったが、後にお金にだらしがないという事だと知る。

しかし、亜希は困ってる人を放っておけないタチで、多恵がお金を出さない様な感じは少し分かっていたが、大変な事があったからと思い、迷わず自分が支払いしている事が多かった。

多恵自身はというと、亜希を誘う事で、亜希が出してくれるんじゃないか?という考えは持っていた。そしてレジ前に行くと、お財布を出すふりをしながらも、亜希に出させていたのだ。

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