第11話 別れ
荒れていた圭介の行動が収まる事は無かった。仕事中にも、警察からの連絡は来るようになっていた。そのうちに、職場でも「警察から連絡が来てるらしいよ。息子さん、また何か悪いことしたんだねー」などと噂されるようになっていた。小林から圭介に「警察のお世話になるような事はやめよう。とにかく学校行かないと」と、話したが、圭介は聞く耳を持たなかった。
小林は、自分がいる事も圭介に良くないのでは無いかと思い、住み込みで働ける所を探し、出て行く事を決めた。
多恵と小林の同棲生活は一年足らずで解消された。それでも多恵は小林が自立してくれる事を嬉しく思っていた。
小林が出て行き、圭介が家に戻る事が多くなったが、「友達に金返すから」と言ってはお金を要求する様になっていた。
圭介は、中学を卒業し鳶職を始めたが、お金が入れば直ぐに使ってしまい、職場から給料を前払いでもらったり、借りる事が多くみられていた。そのため、家に後輩が来て、お金を返してもらえないと言いに来る事も多かった。
それでも圭介は、満足がいかず、万引きや、窃盗をグループでする事もあった。
繰り返すうちに警察に逮捕され、「罰金を払うか少年院に入るかですが、どうされますか」という連絡があり、同じグループの子らは、親が罰金を支払ったが、多恵はそんなお金もなく「少年院で反省させてください」と伝えた。
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